
短編
廃病院の鏡
匿名 2日前
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俺が住んでいる町には10階建ての廃墟の病院があった。白い綺麗な建物で夜は目立って見えるから余計不気味だった。廃墟には柵とか鍵とかないので、入ろうと思えば誰でも入れる感じだった。
この廃墟には、こんな噂があり
「10階の病棟の奥の部屋にある鏡の前で手を合わせると何でも願いが叶う」というものだった。
ただし条件として、
・満月の夜にいかないといけない。
・一人でいかないといけない。
・願い事は一つまでで、一度来たら二度と来てはいけない。
というものだった。さらに
・途中、幽霊が出ると噂の階段や病室の前を通らないといけない。
・10階の病室は治る見込みのない重い患者が収容されていて、最期は見るに耐えない死に方をした。
などから、そこまでしてまで願いを叶えたいと思う人は誰もいなかった。第一本当に願いが叶う保証もないし。
そんななか、高校の同級生の男が廃病院に願い事に行ったという噂があった。
男は決して格好良くなく性格もイマイチなのに、クラスで一番美人の女の子と付き合いはじめたのだった。
そういえば付き合う前に一度、美人の女の子を本気で好きになったこと、「廃病院に行こうかな」って冗談半分に言ってたことを思い出した。
そこで俺は男に廃病院のことを聞いてみると、案の定行ったという。だが男は廃病院の話題を出した途端ブルブル震え出した。そして震えながら
「いや、あの子と付き合えたからさ、いいんだよ。でもあんな思いは二度としたくないね・・」
「何があったの?」
男はさらにブルブル震えた。
男はあのとき、廃病院で何を見たのかは誰が聞いても教えてくれなかった。
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