
長編
灰色の森
匿名 3時間前
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、誰かいるのかしら?もしかして、彼が戻っているのでは?思わず名前を呼んだ。しかし、返事はない。
それでもカツンカツンと言う音は鳴り続けている。そして、私のすぐ後ろでもカツンと鳴った。咄嗟に振り返る。
音の正体はオフィスの中では無く、その外。窓の外側にあった。そこには、先ほどの不気味な生物が何体もへばりついており、窓の上を這っていた。動く度に鋭い爪が窓に当たり、カツンと音を立てている。
「キャァァァァ!!」私はまた悲鳴を上げ、慌てて彼のデスクから、窓の傍から離れた。既に姿を見られ今更無駄かも知れないが、室内灯の明かりを全て消し、窓から一番離れたデスクの影に身を隠した。
バンッ!バンッ!一体が窓を叩き始めると、それに呼応するように全員で叩き始めた。
凄まじい数の打撃音がオフィスに響き渡る。
私は両手で耳を覆い、膝を折って出来るだけ小さく身体を縮めた。「やめて!」心の中で叫ぶ。目を閉じ、ひたすら収まるのを待つ。
しばらくすると、徐々に打撃音は収まっていった。
完全に静まり返ると、窓の外が気になり、ほんの少しデスクの影から顔を出し様子を伺った。生物はさらにその数を増やしており、窓全体を覆い尽くし、感情のない人間のような顔で中を覗き込んでいる。黒い瞳の無い眼が怪しく光を反射し、その姿をよりおぞましい物にしている。
その人間のような顔を一つ一つ、ゆっくりと見ていく。老人の顔、中年の顔、若い女性や男性の顔、いろんな顔がある。
そして私は眼を疑った。それらの中に“彼”の顔を発見してしまった。先ほど生物に連れ去られた彼が、今はその生物に姿を変え、すぐそこにいる。瞳が無いだけで、顔は彼そのものだ。そして、無表情だった生物達の中、唯一彼の顔をしたモノだけが、ほんの少しだけ笑っているように見える。
そう、あの優しい笑顔を、薄らと浮かべている。
どうして!?どうしてアナタはそんな姿で…。
思わずデスクに手を掛け立ち上がる。彼の顔から目が離せない。自然と涙が溢れ出る。もっと、もっと近くでその顔が見たい。
危険を承知で窓に向かい、足を進める。
少し古い作りのこのビルの窓ははめ殺しではなく、鍵を開ければ解放できる。そして、窓を開ければ、彼の顔に触れる事が出来るかも知れない。
触れたい。アナタに触れたい。
窓際の棚の上に乗り、フック型の鍵に指を掛けた。
すると、警備員が救急隊員を連れ、「お待たせしました!」と張
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- オリジナルなら先に書いて欲しいです 読む時間が、ムダ…陸奥
- 草( ´_ゝ`)
- えっと・・・怖い話なんだよね?a100-7
- 載せるとこ違います。あ
- 宝塚の人?・・・
- イミフ。何、この身勝手女のバカな話。 胸糞