
(「山奥の廃校で、犯人の男たちと人質にされている少女」の続き/シリーズ完結編)
・・・
そのあとも、更に闘いをいどむ博正。
博正がどんなに匠の隙をつこうとも全て見破られていて、勝ち目は全くなかった。
そして、博正が諦めかけていたそのとき・・
「待って!」
舞台裏から、桜子が飛び出してきた。
「桜子!」
驚く博正と舞歌。
桜子は制服姿で縛られていながらも、倒れている博正に覆い被さるように庇っていた。
「桜子さん、何で今出てくるんですか!」
匠は強い口調で言った。
「博正をこれ以上殴るなら、私を殴って!」
桜子の言葉に皆が静まりかえる。
博正は桜子を見て
「桜子、いいんだ!俺のことは・・」
「違うの!古川は博正と勝負をして、博正がギブアップすれば私が解放されるはずだったの。」
「桜子さん!!」
冷酷な匠も感情的になっていた。
「・・でも私、博正がこれ以上苦しむのを見てられなくて・・」
桜子の涙が博正の服や体を濡らしていた。
博正は何も言えなかった。
匠は「桜子さん、何てことしてくれたんですか。あなたが僕の言うことを聞いていたら、無事に帰ることができたのに・・」
桜子は「言ったでしょう!私が身代わりになるし、古川の好きにしていいから!博正をこれ以上傷つけるのはやめて!!」
桜子は真っ赤な潤んだ目で匠を見ていた。
桜子が強い口調で言いながらもブルブル震えていることが、博正にも感じられた。
博正は大事な彼女を守れず、むしろ守ってもらっている自分に不甲斐なさを感じていた。
彼女を戒めているロープや制服に不似合いな首元のチョーカーが匠のものにされている桜子の過酷な運命を感じさせていた。
その直後、大村は
「古川、もういいよな。」
「勿論です。」
と言った直後、匠と大村は素早く左右に分かれて舞台裏に隠れていった。
「桜子!」
「博正!!」
桜子は縛られていながらも博正を庇うように、博正も暗いなか桜子を抱いてお互いに守りあっていた。
もしものときは、自分が犠牲になってでも!
そんな気持ちだった。
「どこにいるの?卑怯だよ!」
舞歌は舞台裏の諸幕を調べて隠れている2人を探し、いつどこから攻撃されても2人を守れるように構えていた。
だが足音は聞こえないし、不意を突いて襲ってくる気配もない。
舞歌は警戒しながらも、博正にアイコンタクトを送った。
「桜子、大丈夫か!」
「博正!!」
博正は桜子のロープを解き、解放されると両手で博正を抱いた。
「きっときてくれると思っていた・・」
「桜子、無事で良かった!!」
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