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「人の一生」体験ゲーム③(「どんな人生だったの?」

目を開けるとゲーム機の中だった。
不思議な機械が並ぶ小部屋で椅子に腰掛け、ゲームが終わったからか映画館のように薄い明かりがついていた。
そうだ!ゲームしてたんだっけ。
やっぱり、長かったな。
彼女怒ってないかな。
俺は扉を開けてゲーム機から出た。
すると、彼女は俺を見て驚いた顔で
「えっ?もう終わったの??」
店員はニコニコと俺を見ていた。
彼女が言うには、俺がゲーム機に入ってから出てくるまで1分程度しか経ってないと言う。
その1分のうち大部分はゲーム機の中に入る時間や出る時間なので、実質のプレイ時間はほぼ0秒だった。
俺はゲームの中で何十年という長い年月を過ごしたにも関わらず、ゲームの外ではほんの一瞬だった。
ゲームの中では消えていた元の記憶も戻っていて、逆にゲームの記憶が昨夜の夢のように薄れていた。
そのあと彼女が
「私もやってみるね。」
と言って中に入り、やはり1分もしないうちに戻ってきた。
戻った直後の彼女は、若さはそのままだが表情がおばあさんのように見えた。
しばらくするといつもの彼女の顔に戻ったが。
俺と彼女は店員にお礼を言い、その場をあとにした。
俺は彼女に
「どんな人生だったの?」
と聞くと、彼女は少し困った顔をして
「何か、女の人の人生だったよ。」
「そうなんだ?どんなの?」
すると、彼女は少し考えて
「それは・・秘密!」
「教えてよ!」
「ダメダメ!恥ずかしいし。」
苦笑いをする彼女。
「まさか、俺よりイケメンの彼氏と結婚とか?」
「違う!そういうのじゃない!」
「じゃあ。どういうのなんだ?気になるなぁ・・」
俺と彼女は冗談混じりにじゃれあっていた。
・・・
(完)
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