
友人と共に田舎の古い神社を訪れた夜、私は異様な香りに気づいた。それはお線香の香りとは違い、どこか不気味だった。友人はその香りに気づいていない様子だったが、私には何か不吉なものを感じさせた。
その神社は、かつて多くの人々が祈りを捧げた場所だという。霊的な存在が宿ると噂されており、私の母もそこで不思議な体験をしたことがあると言っていた。母は霊感が強く、特にお線香の香りを嗅ぐと、すぐに近い未来に誰かが亡くなることを察知するのだ。
その夜、私は友人に「この香り、感じない?」と尋ねたが、彼女は首を振るだけだった。私は不安を抱えながらも、神社の奥に進んでいく。すると、境内の一角に古びたお守りが置かれているのを見つけた。それは、薄汚れた布で包まれたもので、どこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
そのお守りを手に取った瞬間、再びあの香りが強くなった。今度は、はっきりとした視覚的な幻影を伴っていた。私の目の前に、かつて私が愛した祖母の姿が浮かび上がった。彼女は微笑みながら、私に何かを訴えかけていた。
その後、友人と神社を後にした。帰宅する途中、私は何かが私の心に重くのしかかるのを感じた。数日後、祖母が亡くなったと電話が入った。彼女は長い間病気を抱えていたが、私にはその死が予知されていたように思えた。
それからも、私はあの香りを感じることが増えた。友人が自殺したり、知人が病気で亡くなったりと、悲しい知らせが舞い込むたびに、私の心は不安でいっぱいになるのだった。母が感じるお線香の匂いのように、私もまた何かの兆候を見逃しているのではないかと、恐れが心を覆っていく。
母は私に言った。「お線香の匂いがしたら、すぐに外に出なさい。何か悪いことが起こる前触れだから。」その言葉を思い出すたびに、私は神社のあの香りを思い出す。次は誰が…?と、ドキドキしながら、また不安に駆られるのだった。もしかしたら、私の近しい人々の中でも、知らずに亡くなってしまっている人がいるのではないかと。
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