
「南国の海岸のように波打つビーチの巨大な屋内プール」の続き
・・・
次の日、3人はスーツに着替えて大村の車で出発する。
慌てたように出かけることに不思議に思う桜子は
「ねえ、どうしたの?」
「実は先ほど連絡が入って、急遽僕の会社に行かないといけなくなったんです。」
「何で?」
「僕の父がアメリカから東京本社に来るんです。」
「そうなの?」
そして古川トランスポートの本社へ。
会議室に行き大村、匠、桜子の3人が待っていると。
「匠様、社長がお見えにました。」
3人はさっと立ち上がった。
そして髭を生やし威厳のある中年男性が入って来て、深く頭を下げる。
そして匠の父であろう男が腰を下ろすと、
「座りたまえ。」
3人は
「失礼します。」
と言い、腰を下ろした。
3人の目の前にいるのは古川トランスポートの社長、古川 勲(ふるかわ いさむ)だ。
大村は
「社長。ようこそいらっしゃいました。」
匠も続けて
「お帰りなさい。お父様。」
そして勲は
「本題から入ろうか。今日私がここに来たのは、匠が女を連れて本社に来たと聞いたからだ。」
匠も桜子もドキリとしていた。
「はい。お父様。それは存じております。」
そして勲は桜子を見て
「それで、彼女は何者なのだ?」
「彼女は、私の友人です。そして、僕が愛している女性です。」
勲は
「婚約者ではないのか。」
匠は
「いえ、まだ・・」
勲は
「まだとはどういうことだ?」
匠は
「彼女はまだ同意していません。」
桜子もそれに頷いたが、勲は
「君、名前を何という。」
「山倉 桜子です。」
桜子が言うと、勲は深刻そうな顔で
「やはりそうか。匠よ、お前は彼女と結ばれることはできない。」
匠はやや感情的に
「どうしてですか?」
勲は冷静に
「まだ分からんか。彼女は・・お前の妹だ。」
その場にいた3人とも驚く。
勲は
「いつか言おうと思っていたが、私は生まれつき無精子症で子を持つことができない。だが古川財閥の社長として後継者はどうしても必要だった。そのため、精子バンクによる人工受精によって妻を妊娠させて、生まれたお前を我が子として育てたのだ。」
「まさか・・」
「お前は私の実の子ではない。そして精子提供者は山倉利夫という静岡に住む男だった。」
桜子は
「私の父・・」
「その通りだ。」
勲は
「利夫には桜子という実の娘がいることも知っていた。匠の方が先に生まれたので桜子は異母の妹ということになる。勿論他にも裏付けはある。彼女が同姓同名の他人である可能性はゼロだ。」
匠も桜子もショックを受けていた。
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