
長編
崩れる霊
匿名 3日前
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女の口に拳を突っ込む形で体重をかけたその瞬間ーー、、
…ガコッと関節か何かが外れる音がして、俺は目を覚ました。
寝落ちしてしまった時の電気がついたままの部屋。
金縛りにはかかっていない。
俺はこれが現実であることを確認し、時計を確認した。
午前2時14分。終わりがないように思われた夢の連鎖は、時間にしてたった10分の出来事だった。
女の霊に噛みつかれた感触が手に残っていたから確認すると、きっちり歯型がついていた。
本来もっと驚くべきことではあったが、本当に疲れていた為、そのまま寝た。
翌朝、あまりにも生々しい夢?だったから、母親に俺の部屋に来たかと聞いたが、行っていないとのことだった。
夢?の件から一年程経ち、その間俺はその女を見ていない。
俺が高校を卒業し、就職するのとほぼ同じタイミングで母親が再婚し、家を出ていくこととなった。
一方俺は家に残り、そこに彼女が転がり込む形で同棲生活がスタートした。
親元を離れた生活を始め、楽しくも忙しい毎日が続き一年が経とうかという頃、ある地方都市で彼女とデートをすることになった。
ショッピングや食べ歩き、まるで昨日のことかのように思い出せるくらい、その日はデートを堪能した。
一日中遊び尽くし、夜も遅いから帰ろうかと帰路について間も無く、彼女が眠いと言い、隣で寝息をたて始めた。
俺はいつものことなので、家の近くになったら起こしてあげようと、そのまま車を走らせた。
二時間程車を走らせ、そろそろ彼女を起こそうかと彼女の方をチラッと見た時に、何かが見えた。
…?誰かいた?こんな時間に??
時刻は午前2時過ぎ。場所は竹藪の前。
俺の自宅は田舎にあり、近くに竹藪がある。普段からよく通る道だった。
しかしそんな時間に竹藪前に突っ立ってるだけのソイツは少々気味が悪い。
なんとなく目で追っていたが、彼女を起こす為に再度彼女の方に向き直ると驚愕した。
彼女が白目を剥きながら、満面の笑みでこちらを見つめていたんだ。
本当に事故るかと思ったよ。もうその場で急ブレーキ。電柱にギリギリぶつからないところで停車できた。
落ち着くために一旦深呼吸、彼女をもういちど見やるが、相変わらず寝息を立てている。
人間にあんな変顔ができるのかってちょっと笑えたけど、面倒くさそうなやつに憑かれたなと、今後のことを思いやり、ため息を溢しながら家路についた。
彼女がソレに憑
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