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長編

崩れる霊

匿名 3日前
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くらいを昇ったところで金縛りがとけた。 そこで目が覚めたんだ。 目が覚めた瞬間、また金縛りにあった。 少し焦った。いつもと金縛りの様子が違うから。 色々考えているうちに、今度はさっきの続きの段から誰かが階段を昇ってくる音が聞こえる。 誰かが階段を昇りきったところで、また目が覚めた。 瞬間、金縛りにあう。 今度は誰かが、自分の部屋の方までゆっくりと歩いてくる。 また金縛りがとけて目が覚めた。今度は金縛りにならず、本当に目が覚めたのだとホッとした。 瞬間、自分の部屋のドアが開く。心臓が止まるかと思った。 その先にいたのは  母親。 夜中に母親が俺の部屋を訪れることなんて滅多にないものだから、どうしたのかと問いかけるも、母親は中々答えない。 改めて事情を聞くと、この家がおかしい。怖い。今日は家族皆んなで寝てほしいと話す。 今し方自分が経験したこともあり、部屋の外で話そうと廊下に出て今後のことを話していた。 ふと俺の部屋を振り返ると、廊下の明かりで薄暗くも部屋の様子を伺えるはずが、漆でも塗ったかのような漆黒に包まれた部屋がそこにあった。 また目が覚めた。正直混乱した。 なんだこれは?何が起こってる?どれが現実だ? そんなことを考えている間も金縛りになっていた。 そうこう混乱している時、部屋のドアがゆっくりと音を立てて開き始めた。 俺はその時、今、ドアの向こう側にいるのは母親ではないことを確信していた。 混乱と焦りでいっぱいの中、少しずつドアは開いていく。 あの女だ。顔は相変わらず見えないが、あの女がそこに立っていた。 初めて会った時とは比較にならないほど、見窄らしい格好になって。 また…目が覚めた。 女は既に俺に馬乗りになり、俺の首を絞めている。 今までこの女に何度も首を絞められてきたが、今回は少し毛色が違う。 俺はこれまでにない展開に焦りと恐怖を感じつつも、身体が金縛りにかかっていないことに気がついた。 意識も朧げになってきて命の危険を感じ、俺は必死の抵抗で裏拳みたいな形で女の頬を全力で殴りつけた。 殴られた拍子に、女は横に倒れ込む。 俺はというと身体に力が入らず、寝たままの体勢で拳に体重をかけ、女が起き上がらないようにするのが精一杯だった。 女も起き上がれないのか俺の拳に噛みつき始める始末。 噛まれる痛みに堪えつつも、俺は徐々に身体に力がはいるようになり、

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