
長編
タカノ君
あーたん 21時間前
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別に信じるとか信じないとかでなく、ただ真剣に話しているので俺も真剣に聞いていた。
タカノ君「午前中、川の向こう側に女の人がいた。なんとなく20代ぐらいかな。」
話によると、その人の恰好は普通の帽子や長袖やらでキャンプに来る格好そのものの女性にしか聞こえなかった。
俺「それって、単にキャンプに来ていた別の人では? 確かに川の向こうは森が茂っているけど人がいないわけでもないだろうし」
タカノ君「・・・なんというか、違うんだよね。いや基本的に見た目は普通の人とたいして変わらないんだよ。でも違うんだ」
俺「霊と普通の人の区別はつくんだ?」
タカノ君「ああ。わかる。たまに紛らわしいのもいるけど。しかもあれは全身濡れていた。溺死かも」
俺「濡れているやつもいるんだ?」
タカノ君「いや、大体普通なんだよね。濡れているのはむしろ初めて」
とてもウソをついている感じがしなかった。
外は真っ暗。こんな薄くてたよりないテントしかない状況。
友人が近くで騒いでるとは言え、森は広くて暗くて静かだ。
霊など類は信じていないのだが、聞いていて“怖い”と思った。
タカノ君「午前中は川の向こうにいたのに、食事の支度をする頃に川のこっち側に来ていた。
でも無視してた。気づいてると思われるとなぜか余計に近づいてくるんだよ、ああいうのは。」
俺は胸が高鳴っていた。怖い。
タカノ君「カレーを食べている時にはいなくなっていた。だからホッとしていた。
・・・だけど。いなくなった訳じゃなかったんだ」
俺「いなくなって、ないの?」
怖い。怖い・・。
でも聞かないわけにもいかない。
俺「最初の質問に戻るけど、“なんでトランプの最中にこっちに来たの?”」
タカノ君「あっちのテント・・・」
こちらを見ないで一点を見つめるようにゆっくりと話していた。
タカノ君「突然、あの女が、入ってきた。」
テントの中に??
あんな、狭い所に!? 背筋が凍るようにゾッとした。
タカノ君「AとBが隣り合っていたでしょ? あの2人の間に覗き込むように」
俺「・・・どうしたら、いいの? 追い出せるの?」
タカノ君「オレは霊媒師とか研究家じゃないから正直わからないんだよね」
俺「確認、した方が・・・、みんな、ほっとけないし」
タカノ君「そうか。確かに心配だよね。でも自分が覗くとついてきちゃうと思うんだ。余計に」
俺「俺が見る
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- 結構重要な箇所で誤字脱字があったので、修正していただけるとより怖さや感情移入がされるのではないでしょうか。名無し