
長編
タカノ君
あーたん 21時間前
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しかないかな」
タカノ君「できそう? 行くならとにかく近くにはついていくよ」
本当は逃げたかった。
いや、クルマもないしそもそも逃げるところなんてない。
友達は見捨てられない、と見栄を張っているだけだと思う。本当は怖かった。
隣のテントはわずか数メートル先。ゆっくりと近づいた。
一歩ずつ。
心臓が高鳴る。
タカノ君は俺のちょっと後ろについてきてくれた。
俺は友人のいる、霊のいる、テントをゆっくりと覗き込んだ。
だが、俺には友人たちの姿しか見えなかった。少し、ホッとした。
A「お!どうしたー。タカノ君は??」
俺「ああ、疲れたみたいで隣のテントにいて・・・」
B「さっきさー、こいつが小便もらしやがってさーw」
A「違うだろ、お前だよ。見てくれよ、俺の服びしょびしょにされたんだよ。ポカリこぼしやがって」
B「こぼしてないよ。俺の肩だって濡れてんだから」
血の気が引いた。
Aの右肩とBの左肩が濡れていた。
タカノ君はやはり嘘をついてない・・。
怖くなって無意識の中、慌ててテントの入り口から後ずさりした。
恐怖で頭が真っ白になってしまった。
その時、突然、俺の右腕を力強くグッ!と掴まれ引っ張られた。
俺「うわっ!!」
と叫んだ。
見るとタカノ君だ。
タカノ君が俺の右腕をいきなり掴んだまま強引に引っ張りまわすように力強く歩き出した。
俺「え、な、なに??」
無言でタカノ君はスタスタと歩き続ける。競歩の選手のように力強く速く。
どこへ向かっているのか? トイレの方?
混乱した。
この先に何かあるのか? そうは思えない。
タカノ君はどうしちゃったんだ? どこに行くの?
なんなの? どうしたの?
だが、
途中で何が起こっているのか、自分も気が付いた。
俺「ま、まさか!!」
次の瞬間、俺の背中がコップの水をぶちまけられたようにビシャリと濡れた。
霊が・・・、ついて来ている!!
もう気絶寸前なぐらいパニックだった。
俺「タ、タカノ君・・」
タカノ君「歩こう!」
タカノ君はなんとか霊を振り払おうと俺を引っ張ってきたのだ。
俺には見えない。いや、正確には怖くて一度も振り返っていないから見てすらいない。
だが背中の冷たくなった感触は疑いようもない事実だ。
それに霊感のない自分でもわかる。何かが間違いなく後ろから来ている。
時間の感覚がわからなくなっていた。もう数十分も歩いたような、実際
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- 結構重要な箇所で誤字脱字があったので、修正していただけるとより怖さや感情移入がされるのではないでしょうか。名無し