
数日前、北海道の小さな町に引越したばかりのときの話です。
私は大学生で、古いアパートの二階に住んでいました。外は寒く、雪がしんしんと降り積もる冬の夜でした。引越しの際、レコードプレーヤーを持ち込んでいたので、音楽を流しながら過ごしていました。
その夜、私は音楽を流しっぱなしにして寝ることにしました。しばらくすると、耳に異音が入り込んできました。カラカラカラ、何かが回るような音。目を覚ました私は、音の出所を探るために起き上がりました。
音の方へ歩いて行くと、薄暗い部屋の中で古いレコードプレーヤーが回っていました。針は何も載せていないのに、まるで誰かがそれを操作しているかのように、微かに音楽が流れ始めました。
その瞬間、窓の外に目をやると、白い服をまとった女性の姿が見えました。彼女は不気味に微笑みながら、窓を叩いていました。顔は異常に白く、目は大きく見開いていて、まるで何かを訴えかけているようでした。私は恐怖で身動きが取れず、声も出せませんでした。
その女性は口を動かし、何かを呟いているようでしたが、声は聞こえませんでした。やがて彼女は手を止め、静かに窓の端に消えていきました。私は信じられない思いで立ち尽くしていました。
ふと気づくと、レコードプレーヤーが動いていることに気付きました。誰かが私のために音楽を流しているのかと思い、恐る恐る近づきました。ところが、プレーヤーには何もレコードが載っていなかったのです。私は恐怖に駆られ、とりあえず布団に潜り込みました。
翌朝、窓を開けて外を見たところ、雪が一面に積もっていました。しかし、昨夜の出来事が夢だったかのように、何も痕跡が残っていなかったのです。私はあの女性が何を伝えたかったのか、今でも考え続けています。あれは一体何だったのか。今となっては、ただの幻覚だったのかもしれませんが、あの日の不安な気持ちは忘れることができません。
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