
長編
おじさんの探しもの
(゜Д゜) 3日前
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ところが、途中で大事なポケベル(当時は携帯電話などありません)を部室に忘れてしまっていたのです。
1人で戻るのは怖い…でも、ポケベルが無いのは困る。。
時間はそれほど遅くありませんでしたが、辺りはもう真っ暗でした。
他の部活の人たちも家路を急いでいます。
電車が来るまで約5分。
走って往復すれば間に合うかもしれない。
友人たちも付き合ってくれると言ってくれましたが、万が一この電車を逃すと次の電車まで40分以上待たなければならない為「チャチャッと走って取ってくるよ!間に合わなかったら帰ってていいから。」と伝え、先に行ってもらうことにしました。
まだ部室が開いていることを願いつつ全速力で戻りましたが、無情にも部室は真っ暗で鍵がかかっていました。
仕方なく職員室へ行き、顧問の先生に事情を話して部室の鍵を借りると再び部室へ向かいました。
ポケベルを鞄にしまい、部室で時計を確認すると既に電車の発車時刻を過ぎておりガッカリ。
もしかしたら友達が待っていてくれるかもしれない!という微かな期待を胸に、急いで施錠し鍵を返すと、猛ダッシュで駅へ向かいました。
しかし期待虚しく、駅には友人どころか人っ子一人見当たりませんでした。
仕方がないのでたいして明るくもないホームのベンチで単語帳でも見ながら次の電車を待つことにしました。
20分ほどたった頃、友人からポケベルにメッセージが入りました。
『先帰ってゴメン』というような内容でしたので、返信をしようと立上りホームの隅にある公衆電話へ向かおうとしたその時…
「あの…」
わりと近くから男性の声がしました。
声の方を見ると、私からほんの3m程しか離れていない場所に無表情の知らないおじさんが立っていたのです。
人の気配など全く感じなかったので驚きました。
しかもそのおじさん、近くにいるのに輪郭はぼんやりしていて下半身が闇に包まれているようでした。
もともと薄暗い駅ですし、明かりの届きにくい場所に佇んでいた為だと思いましたが、かなり不気味に思い、身構えながら一応「何ですか?」と答えました。
よく見るとおじさんは大きめの紙袋を抱えています。
その時は中身までは見えませんでした。
『うわっ。まさかあの都市伝説の…?』
私はおじさんの返事を待たずに逃げようと思いましたが、改札口はおじさんの後ろ。
つまり、おじさんの脇を通らなくてはなりません。
せめて誰か来てくれ~と念
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- 首なしライダー見たいな話だ。かんちゃん