
私はその晩、大学の友人と一緒に忘年会を楽しんでいました。冬の寒さが身にしみる夜、私たちは遅くまで盛り上がり、友人の古いアパートへと戻ることにしました。
アパートは古びていて、薄暗い廊下が続いています。友人は5階の部屋を持っていて、私たちはエレベーターを降り、静かにその廊下を歩きました。久しぶりに会ったこともあり、楽しい思い出を語り合いながら、自然と笑顔が溢れました。
友人の部屋の前に着くと、彼は鍵を取り出してドアを開けようとしました。しかし、鍵を差し込んでも回らないのです。友人は驚いた顔で、「え?あれ?」とつぶやき、もう一度鍵を確認しました。
「何か間違えたの?」と私が問いかけると、友人は「部屋も鍵も合っているのに、ドアが開かない」と言いました。私は半信半疑で鍵を試しましたが、同じく開きませんでした。何度も鍵を入れ直し、部屋番号を確認するも、無駄な格闘に思えました。
結局、管理会社に連絡しても、夜中のため誰も出てきません。途方に暮れた私たちは、近くのファミレスで時間を潰そうかと思ったその瞬間、カチリとドアが開く音がしました。驚くべきことに、最初に試した鍵が、今になって回ったのです。
部屋に入ると、玄関からかすかに水音が聞こえました。「シャワーの音がする」と言うと、友人も声を潜めました。恐怖が二人を包み込み、私たちは急いで外に出て、警察に通報しました。
警察が到着し、部屋の中を調べてもらいましたが、誰もいないことが確認されました。シャワーが流れていたにもかかわらず、部屋には誰もいなかったのです。鍵は何故開いたのか、シャワーの音は一体誰のものなのか、私たちの心には恐怖の影が残ったままでした。今でもその謎は解けず、時折思い出す度に寒気が走ります。何が起こったのか、真実はどこにあるのか…それを知る者はいないのです。
その夜、私たちの記憶に刻まれたのは、ただの不思議な出来事ではありませんでした。何かが私たちを見ているような、そんな感覚が今も忘れられません。
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