本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

あの日見たモノ

匿名 2022年10月16日
怖い 69
怖くない 64
chat_bubble 0
9,144 views
少し長くなりますが聞いて下さい。大学2年生の時の夏、僕は仲のいい友人3人A,B,Cと一緒にある心霊スポットに肝試しに行こうという話になり、そこへ赴くことになりました。僕自身、当の今まで心霊現象などの部類は全く体験してこなかったことがあり、内心何も起きないだろう…とある意味たかをくくっていました。今思えば、そんな生半可な気持ちがいけなかったのでしょうか…あの時の出来事が、頭の中で幾度となく鮮明に再生されます 心霊スポットへ行こうと計画を立てていたその日、友人の一人であるBが急にひどい頭痛がするとの連絡があり,行けないことに…Bの車でそこへ行こうとしていたので、僕達は仕方なしにレンタカーを借りて3人で行くか…となんだかやるせない気持ちで向かうことに。そこはあまり有名ではありませんが、今はもう誰も近寄ろうとしない廃屋で、ヤンキー達が根城にしているだとか夜な夜な誰かの名前を呼ぶ奇声が聞こえるだとか変な噂の絶えない場所でした。 向かっている途中にコンビニがあり、何か食べ物を買っていこうとAが言い出したので寄ることに A「運転係のC様になに買っていく?やっぱりコーヒーか?」 自分「あいつの好きなもん忘れた?エ◯本に決まってんだろ笑」 A「確かにそっちの方が目が覚めるな笑」 そんな途方もない会話をしてコーヒーやらお菓子やらを買って車へ戻るとCが何やらBと電話で言い合ってるようで、、 B「悪いことは言わないから今すぐ戻ってこい!そこ危ないらしいぞ…先輩から聞いたんだけど行っておかしくなった奴もいるって話だぞ」 C「何言ってんだよ、行けないからって寂しいのか?笑 別に行ったくらいじゃ何ともなんないだろ、じゃ、そろそろ行くからな」 B「あっ、おい!待てよ!」 Cはプツリ…と電話を切ると戻ってきた僕達の方を横見に事の顛末を話し始めました C「なんか急にBから電話かかってきてよー、行くなって言い出すんだよ、さっきの話聞いてたろ?どうしたんだか…」 A「まぁ大丈夫じゃね?そもそも何かいたら逃げればいいべ」 そう意気込んで再び出発することを決めた僕達は、車内でてんやわんや騒ぎながら夜の道路をしばらく走っていると例の廃屋があるという山が見えてきました、夜なのもあって山がなんだかおぞましく訪問者を待ちわびて、静かに佇む化け物のように見えた僕は全身に鳥肌が立ったのを今でも覚えています。車を山の麓の良さそうな所に駐車して、車から降りた僕達は獣道のように草が生い茂った山道を通って、そこへと向かって歩き続けます。暗いと思われた山中は月明かりのおかげで意外にも明るく、難なく進むことが出来ました。10分くらいでしょうか?案外すぐにその廃屋が見えてきました。そこまで大きくはないのですが、そこらにある一軒家より少し大きいくらいで2階立て、門がかなり草臥れており、かなりの年季が入っていることを感じさせます、表札には名前が入っていたのですが、ボロボロになっていて見当もつきませんでした。そんな廃屋の雰囲気に圧倒されて3人とも言葉を失っていると、静寂を破って A「おい、どうする?入ってみるか?」 C「まあここまで来たからには行くしかなくない?」 Cの怯えたような強張った表情から発せられる声に、廃屋を前に雰囲気負けしていた僕は強がるように 自分「だよな?行こう行こう」 と先陣をきって廃屋の門を開けて入口へと続く道に入った途端、何だか急な寒気と鳥肌に襲われましたが、気のせいだと言い聞かせ、意を決して入口の扉に手を掛けます。開かないと思っていた扉は耳につく嫌な音を立てて開きました…まるで手招きしてるかのように。 C「少し待ってくれ、懐中電灯出すわ…ほらよ」 A「サンキューな」 足元を注意深く照らしながら中へと入ります。廃屋の中は少し埃っぽく、なんだか時の流れが止まったように虚しく、ガランとしていました。所々人が暮らしはしていたことが窺える生活感は微かに感じられましたが。まずは1階から探索することになった僕達は通路を通って少し広い居間のような空間へと出ます。部屋に入って最初に感じたのは重苦しい空気とまるで大勢の人間から見られているような視線でした…ふと部屋の上側を見ると、よく大家族世帯の家で見るような先祖代々の写真が飾ってあり、この廃屋にかつて住んでいた人は由緒ある人達の子孫であるだろうことが窺えます。 A「うおっ!何だよこれ…気味悪いな…」 C「おどかすなよ…チビるかと思ったわ…」 嫌な気分になりすぐに部屋を出て、しばらく他の部屋をまわっている時でした、急に上からガリ…ガリガリ…と爪を立てるような音が耳に入ってきます 自分「なんだよこの音、ネズミとかか?」 A「まあ、いてもおかしくはないわな、ここ何十年も放置されてるらしいし」 C「少しだけ確認しに行ってみるか」 Cは探索してるうちに雰囲気に慣れてしまったのか、入る前とは打って変わって顔がいつも通りに戻っていました。自分とAはビビりだと思われたくないため、乗り気ではありませんが渋々と承諾して2階の階段へとCの後に続いて足を掛けます。階段を一段一段と上がるにつれて、音は徐々に大きくなっていきます、すると右側に酷く錆び付いたスライド式の扉が見えてきました。 C「開けてみるか、どうせ鼠だろしな」 そう言って扉を勢いよく開けてしばらく中を見ていたCは糸が張り詰めたかのように目を大きく見開いて固まっていました 自分「おい、何があるんだよ?」 自分も顔を覗かせてみると、そこは真っ暗で奥行きのある構造の部屋になっており、吐瀉物のような匂いがたちこめていました。僕は顔を歪めながらも何とか部屋の様子を伺います。すると、視界の奥側の方で何やら闇の中で蠢めいてる物を感じられます。ゆっくりと震える手で滑り落としそうな懐中電灯でそれを照らしてみると…四つん這いになって、必死に床を引っ掻いている全身の皮膚が焼けただれた人間のようなモノがいました。そいつは急に引っ掻くのをやめると、首だけをぐるんと曲げてこちらを凝視してきたんですね。そいつと目が合ったと思ったとき、本来目がある所がただの空洞のようになっており、全身が固まったかのような感覚に陥りました。自分の中では狂ったように叫んでるつもりなのですが、声が出ず、「うぐぁ…かぁ…」という漏れた息だけが暗い虚空へと消えていく。そいつは鼻のない焼けただれた顔でニタァと笑いながらゆっくりと立ってこちらへ向かって歩いてきます。まずい…早く逃げなければ…そう思うのですが、恐怖からか、足に重りがついているかのように動けません。その時、僕ら2人のただならぬ様相と近づいてくるヒタ…ヒタ…という足音から只ならぬ事態を察知したAが 「おい!逃げろぉぉぉ!」 と叫び急に身が軽くなって僕達は一目散に出口へと走り出しました。その後のことは必死すぎてあまりよく覚えていませんが、車に飛び乗って廃屋を後にしたのは確かです。その日は一人で過ごすのが怖くなり、最寄りのAの家で3人震えながら夜明けを待ちました。 次の日、Bにこのことを話すと B「お前らソレを見たのか…!?はぁ…いいか、落ち着いて聞け、ソレを見たやつは5日以内におかしくなって死ぬ。先輩から聞いたんだ…過去にもお前らと同じように見た人がいて、その人は何日かしてからおかしくなったようにブツブツ言い始めて、5日目の夜には病院で息絶えたそうだ…死因が分からずじまいにな」 その話を聞いて僕は震え上がりました…心臓の鼓動がうるさくなっているのが無意識にも感じられる、パニックになりそうなのを抑えて 自分「どうすればいい!?何か方法はないのかよ」 というとBは先輩に頭を下げて聞きに行ってくれたみたいで先輩の紹介であるお寺にお祓いをうけることになりました。すぐさまAとCを呼び出して、Bの車に乗ってそのお寺へと走りました。 しばらくしてお寺に着くと僧らしい人が出てきて俺達を見るなり 僧「見てられないほどの邪気だ…君たちそれをどこで貰い受けた!?話は後です…まずはお祓いを!」 そう言って僕ら3人を本堂へ連れていき、座らせると塩と酒を取り出してそれを頭から僕らに被せました。すると奥からお坊さん達5~6人が出てきて、取り囲むように座りお経を唱え始めました。気が遠くなるほどとてつもなく長い時間でした… しばらくしてお経が終わると、僧さんから呼び出され、体験した出来事を話しました。 僧「ひとまずはもう大丈夫です…邪気は消えました、ただもう二度とそこへは近付かないで下さい、再び邪気を受ければあなた達の魂が持っていかれてしまう…」 そう忠告を受けて、僕たちは安堵したのか一気に体から気が抜け落ちるのを感じました。この後、僧さんにあの正体はいったい何なのかを聞くと、あくまで予想だが、そこに住んでいた人達は何者かに呪いを浴びせられて、取り殺されてしまった後、彼らの魂は浴びせられた呪いで穢れてしまったことによって集まり、強すぎる念が故にあのような可視化できる姿へと変貌してしまったらしい…しかしながら強すぎて祓うことは不可能に近く、並の霊力者ならばさらなる呪いの念として蓄えられる魂になるだけという…何とも恐ろしい話でした…このようなことを目の当たりして懲りた僕たちは二度と心霊スポットに行かないことを決めました。もしあの夜…あいつに捕まっていたら…そう考えると気が気ではありません 最後まで読んで下さりありがとうございました

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.202

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

一息で読める短い怪談

読み込み中...

心のどこかに残る長めの恐怖談

読み込み中...

長く尾を引く長編実話ホラー

読み込み中...
chat_bubble 0