
これは私が去年の冬、山荘で体験した不気味な出来事です。
冬休みが近づき、私は家族と一緒に長野の山荘に行くことになりました。普段は忙しい仕事に追われている私にとって、久しぶりの休暇でした。
山荘に着くと、雪に覆われた景色が広がり、心が安らぐのを感じました。家族と楽しい時間を過ごし、初日の夜は暖炉の前で過ごしました。
しかし、二日目の夜、少し変わったことが起こりました。娘が「お父さん、古い人形を見つけたよ!」と嬉しそうに言って、何かを持ってきました。それは、雪のように白い古い人形でした。
その人形は、どこか不気味な雰囲気を持っていましたが、娘が気に入った様子だったので、私は特に気にせず、その人形を娘の部屋に置くことにしました。
夜が更けていく中、家族は眠りにつきましたが、私はなぜか目が冴えてしまい、寝付けませんでした。静寂の中で、ふいに小さな声が聞こえてきたのです。
「お父さん、遊んで…」
その声は、まるで娘の声のようでした。私は驚いて起き上がり、娘の部屋に向かいました。しかし、娘はぐっすり眠っていて、部屋には人形だけが静かに佇んでいました。
翌朝、私は不安を抱えながらも、その出来事を忘れようとしました。しかし、夜が来ると再び声が聞こえてきました。今度は「一緒に遊ぼうよ…」と、まるで誘うような声でした。
怖くなった私は、再度人形を娘の部屋から取り出し、山荘の外に捨てることにしました。すると、外から雪の中に埋もれていた人形が、いつの間にか元の場所に戻っていました。
呆然とする私の耳に、またもやあの声が響きました。「お父さん、助けて…」
恐怖心が高まり、私はその夜、眠れずに過ごしました。何度も声が聞こえてくるたび、恐怖と不安が増していくのを感じました。
その翌日、私は決心して人形を捨てることにしました。そこで、山荘の裏手にある小さな池に投げ入れました。それから、ようやく少し安心して眠りにつくことができました。
数日後、帰る準備をしていると、娘が泣きながら言いました。「お父さん、あの人形がいなくなったら、私の夢に出てきたよ…」
私は恐怖を感じながらも、娘を抱きしめました。
その後、山荘を後にする際、娘の目に涙が浮かんでいるのを見て、私は心の中で何かが締め付けられるような感覚を覚えました。
帰宅後、私たちは普通の生活に戻りましたが、あの人形のことは忘れられませんでした。時折、娘が「お父さん、あの人形どうなったの?」と聞くことがあり、心が痛みました。
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