新着 短編
「ねぇ、あいちゃんが呼んでるよ。」

小学校の修学旅行での体験。
私たちは、畳の部屋に女子6人で寝ていた。
真夜中、寝ている間に少し目が覚めて頭がぼんやりするなか。
「ねぇ、あいちゃんが呼んでるよ。」
と可愛らしい女の子の声が聞こえた。
私は眠いながらも起き上がると、女の子が部屋を出ていくのが見えた。
「あいちゃん??呼んでる?」
私は「あいちゃん」という名前には聞き覚えがなかったが、真夜中に呼ぶってことは何かあったのかもしれないと思って女の子についていった。
女の子はセミロングの下ろした髪の私と同い年くらいの子で、後ろ姿しか見えずクラスの誰かは分からなかった。
私は誰だろうって女の子に近づこうとしても、女の子は先に進んでいき顔を見ることはできなかった。
女の子は廊下を進むと、奥にある部屋の襖を開けて中に入っていった。
女の子は部屋の中に入ったものの、襖を少し開けて私を手招きしていた。
このとき初めて女の子は顔を見せたが、やはり知らない子だった。
私は知らない子のいる部屋に入るのもなぁ、と躊躇していると女の子は襖を閉めた。
私はしばらく立っていると、
「何しているの?」
といつの間に来たのか学校の女の先生に聞かれた。
私は訳を話すと、先生はその部屋の襖を開けた。
そこは誰もいなく、さらに部屋の中も調べたがどこにも誰もいなかった。
先生は「夢でも見たんじゃないか。」と私を部屋まで送ってくれた。
あのとき出会った女の子が何者なのか、もしあのとき私がその部屋に入ってしまったらどうなっていたのだろうか。
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