
ある晩、山道を走るバスの運転手をしている友人が、思いもよらない出来事を話してくれました。
彼の間では「霧の中でバスを止めてはいけない」と言われているそうです。なぜなら、霧の中で待っているのは人間ではないからだと。
その夜、長距離のお客さんを送った後、友人は帰り道の山の小道を走っていました。薄暗い霧の中に、何かが見えました。それは小さな少年が、手を挙げている姿でした。
一瞬、友人は噂を思い出しましたが、少年の真剣な表情がいじらしく、ついブレーキを踏んでしまったのです。
「君、どこに行くの?」
「家に帰りたい…」
少年は小さな声で答え、バスに乗り込みました。友人はバスを走らせ、10分ほど進んだところで、ふと後ろを振り返りました。
「あれ?」
後部座席には、水滴が一面に広がり、そこには小さなぬいぐるみが置かれていました。驚く間もなく、友人がドアを開けると、霧の中から何かがすり抜けていき、「ありがとう、おじさん」と囁く声が耳に残りました。
友人は、霧の中に住む何かにいたずらされたのかもしれません。彼はその後、二度と山道を通らなかったと言います。霧の中には、確かに人間ではないものがいるのですから。
その思い出は、彼にとって忘れられない恐怖の体験となりました。霧の深い山は、今も彼の記憶に刻まれています。
「誰が待っているのか、決して確かめてはいけない。」彼はそう語ります。
何がいるのか、想像するだけで背筋が凍ります。
この話を聞いたら、あなたも山道を走るときは、気をつけてください。霧の中には、見えない恐怖が潜んでいるのですから。
そう、決して振り返ってはいけません。
この物語は、あなたの心に影を落とすかもしれません。
それは、確かな警告です。
「霧の中の何か」に注意を。
そう、忘れないでください。
あなたの背後には、いつも何かがいるのです。
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