
私が体験した奇妙な出来事についてお話しします。
その日、私は冬の寒い夜、家の一軒家の寝室で入浴後に鏡を見つめていました。ふと、自分の右肩に目がいきました。そこには青い傷跡が、まるで何かに引っ掻かれたかのように浮かび上がっていたのです。
「お母さん、ちょっと来て!」
「なに?」
不安になって、私は母を呼び寄せました。まだ濡れた髪をタオルで拭きながら、私は自分の肩を指さしました。
「これ、どうしたの?怪我した覚えがないんだけど……」
母は少し驚きながらも、私の肩をじっくり見つめました。すると、彼女の顔に何かが閃いたような表情が浮かびました。
「これ、多分、あの時の痕じゃない?」
「え?何それ?」
「あなたがまだ幼い頃、近所の子供に引っ掻かれたことがあったでしょ。」
その言葉を聞いて、私の記憶が一瞬で戻ってきました。あの子は、幼稚園で一緒に遊んでいた、少し変わった子でした。私の記憶の中で、彼女はいつも私の後ろをついてきて、私の髪を触るのが大好きでした。
「そうそう、名前は確か、あの子だよね。いつも私の髪の毛をいじってた子。」
「そうね、あの子は少し変わってたから。」
その子の名前を思い出すと、当時の記憶が鮮やかによみがえりました。彼女は自分の指を噛んだり、私の髪を引っ張ったりしていました。まるで、私を自分の一部にしたいかのように。
ある日、幼稚園での出来事が突然思い出されました。私が青空の下で遊んでいると、彼女が私の肩を掴み、引っかかれたのです。痛みはほとんどなかったのに、その時の彼女の目が忘れられません。
「大騒ぎになったわ。あなたが引っかかれた時、周りの大人たちが慌ててたの。」
「そうだったんだ。思い出した。」
「多分、あの傷は長い間隠れていたのかもね。お風呂で血行が良くなったから見えたんじゃないかしら。」
「そうかも……ずっと気づかなかっただけか。」
母の言葉に頷きながら、私は再度、肩に目をやりました。青い傷跡が、まるで彼女の思い出を残しているかのように感じました。あの子は、私のことをずっと好きだったのかもしれない。私の一部を引き剥がそうとしていたのかもしれない。
今でも、風呂上がりに鏡を見るたび、あの青い傷を思い出します。そして、思うのです。あの子は今もどこかで、何かを噛んでいるのだろうか。
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