
私が高校1年生の時に引っ越した古いマンションのお話です。
そのマンションは親戚が所有していたもので、住人がいなかったため非常に安く借りることができました。マンションは三階建てで、私たちが住む部屋は二階にありました。
部屋は広めで、リビングとキッチンが一体になった空間、そして二つの寝室がありました。家族は母親と私、そして高校生の姉の三人で暮らしていました。
このマンションには古い時計があり、部屋の隅に置かれていました。最初はただの装飾品だと思っていましたが、ある晩、寝る準備をしていると、枕元から微かに時計の音が聞こえてきました。最初は気のせいだと思い、目を閉じて再び眠ろうとしました。
しかし、何度もその音が響くのです。まるで古い映画のワンシーンのように、時折、時計の音の裏で人の声が聞こえてくるような気がしました。「何かの夢かな?」と思い、眠りに落ちようとしました。すると、突然、姉が部屋に入ってきました。「今、下から声が聞こえなかった?」と彼女が言いました。緊張が走り、私たちは驚きました。
その後、母が帰ってきて、夕飯を食べているときに、私が感じた音について話しました。「私も同じ音を聞いたことがあるよ。古い時計からかもしれないし、誰かがいたずらしているのかも」と母は笑いながら言いました。
その晩、私たち姉妹は再びその音を聞きました。しかし、今回はもっとはっきりとした声が聞こえてきました。「助けて…」という言葉が、まるで私たちを呼んでいるかのように響いてきたのです。恐怖に駆られた私たちは、すぐに母を呼びましたが、その瞬間、音はピタリと止まりました。
「何もなかったよ」と母は言いましたが、私たちはその後も気になって仕方がありませんでした。
数日後、私は一人で部屋にいるときに、またしてもその音が聞こえてきました。今度は階段を上る音が明確に聞こえました。心臓が高鳴り、ドアの前で立ち尽くすと、ドアがノックされました。恐怖で身動きが取れず、ただその音に耳を傾けていました。
ドアを開けた瞬間、誰もいませんでした。ただ静まり返った廊下の向こう側にある古い時計だけが、時を刻んでいました。母にこのことを話すと、「あれは、前の住人が残したものかもしれないね」と言われました。
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