
長編
やっぱりね。
テツ 2020年7月31日
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通勤の電車から投稿してます。
少し前あるゲームの体験版が出てからと言うもの、のめり込んでしまい製品版を買って、会社から帰ってきては夜二時までプレイ。そこから三時には寝て、八時には起きて出社。という夜更かしのサイクルができていました。
そんなことを続けていた昨日の話。
でも昨日の話を書く前に、繋がるんじゃないかという話を書いておきます。
私は4人の大学時代の友人とルームシェアをしています。そのうち私含め2人が、少しだけ。ほんとに少しだけ、ふわっと自分たちと違うものを感じることができてしまいます。
私達は、埼玉のとある一軒家を4人で借り、四つある部屋をそれぞれが使って生活をしています。ダイニング・リビング・キッチンは二階にあり、全員の職業柄でリビングはデスクとパソコンで溢れています。ちなみにダイビングにはテレビが。
一年経ったある日、ダイニングで4人で大乱闘するゲームをプレイしていた際、
(バタン。タッタッタッタッタ)
と階段を上がる音が聞こえてきました。
その時はルームシェアの友人の彼女が良く遊びにきていたので、心の中で【あー遊びに来たのかな?】なんて思っていました。
ですが、一階段から通じてるリビングの扉が一向に開かないのです。
【あれ?おかしいな】と思いながらも両手はコントローラー。頭は相手をいかに撃墜するかでいっぱいです。
するとまた
(タッタッタッタッタッタ。ボソボソ。ボソボソ。)
音がちょうど扉の前まで来て、止まりました。そして何か(ボソボソ)と、独り言を話しているのです。全く聞き取れませんでした。
様子が変だ。
と感じた私は、もう1人の感じることのできる友人に、「聞こえた?」と取り敢えず聞いてみました。
友人は何も言わず首を縦に振り、目線をドアに送っていました。
【なるほど。わかった。】
そう心の中で思い、彼女がよく遊びに来る友人に、決定的なことを聞くことにしました。
「もしかして、彼女今日来る?予定ある?」
そう聞くと、彼は「えっ、別に無いけど。つか高校の時の友達とご飯行ってるんじゃなかったかな。」そう言いました。
それで、私と、もう1人の感じることのできる友人は確信を持ちました。
いると。扉の向こうに。
そこから残りの2人に今起きている現状を説明し、どうやって今日寝ようかと相談をしていたら、フッと扉の前から気配が消えたのがわかりました。
結局その日は階段を降り、各々の部屋で寝られました。
なぜこんなことが起きているのか。
よくよく考えると、安い賃貸だし、私たちが住んでいる家だけ近い周期で三、四回入れ替わっている。
この家、だめなのかも知れない。
なぜわかったかと言いますと、
入居当時、自宅の表札が元々の持ち主さんの表札の上から初めは養生テーププラスちがう名前の紙。またその上から黒いビニールテープで違う名前の紙。またその上から同じように黒いビニールテープで覆い違う名前の紙が貼ってあったのです。ましてその最後の紙も二枚目も三枚目も真新しかったのです。
ちなみに僕たちが作って貼った紙の表札は、半年後には綺麗さっぱり破れて飛んで行ってなくなっていました。
やっぱり残ってるのおかしいんですよ。どれだけ毎日濡れないようにだとかしたとしても紙破れますし、絶対二年契約なのに残ってるわけないんですよ。その紙。唐突に出て行ったりしない限りは。
それが三枚も。
気持ち悪い。そう感じました。
その時は賃貸の会社に問いただすのも怖くて、取り敢えず剥がしてその表札だったものを捨てました。
ラップ音を聞いた次の日、もしかしたらこうなんじゃないかと話すと、上に書いたことを全員が思っていました。
だけど家は二年契約。途中でルームシェアを解体すれば自分たちはすごく損をしてしまうので、取り敢えずいやでも残り一年住み続けることにしました。
そこから暫く私は何も感じませんでした。
そして今日。
今家にいるのは少し感じ取れる友人と私だけになっています。2人とも彼女の家で穏やかに過ごしていますし、休日にはたまに戻って来る形で、やりくりするようになりました。
悲しいことですが、あの変な音が聞こえた日以来関係がギクシャクするようになってしまったのです。だから距離を置く形を取った感じです。
ここから昨日の話になります。
ルームシェアに残っている2人で初めに話したゲームを協力プレイしていました。一時半をすぎた頃、友人が「ダメだ。ハハハ。眠すぎ、風呂入ってもう寝る。」と言い「オッケー。おやすみー。」と出て行ったあと、私は一人でそこからまだプレイし続けていました。
二時ごろ、風呂から上がり上の階にタバコを吸いに来た友人は、「いつまでやってんだよ」と言いながら一服し、「じゃ、また明日」と階段を下って行き、シャカシャカと歯磨きの音が聞こえてきました。
自分もそろそろ寝ないと…と思いながら、やめれずに十分ほど経った時、歯磨きの音が止んで静けさがリビングに広がりました。(ゲームの音は、もう寝るといった友人に遠慮してボリュームを下げていました。)
シーンと広がる静けさの中黙々とモニターを見ながらコントローラーを動かしていると目の片隅に見えていた、先に寝たはずの友人のデスクのモニター端からおでこまでの髪が見えました。真横にこっちを覗くように。ですが、その時怖くなかったのです。感じ取れたのが、ただ興味があるだけだったように感じました。
その状況を客観的に考えてしまった私は、異常さから一気に全身鳥肌になりました。
【あっ。】
心の中で言った私は、それに悟られないようゆっくりとコントローラーから手を離して、友人に助けを求めに階段を早足でおりました。
友人はまだ洗面所で色々としていたので動揺を隠せないまま状況を説明すると、
「まじか、そうか、やばいな、そうか」
と、友人も動揺していました。ですが、「大丈夫大丈夫。昼間も色々起きてるから」と冷静になり、私と一緒に上に上がり色々電気など消して降りて来るところまでついてきてくれました。
昨今のウイルスのせいで、在宅勤務になっていた友人が言うには、この家で一人でいる時どの時間であっても変なことは起きていたそうです。詳しくは教えてくれませんでした。
自分が見てない間も起こり続けていたみたいです。終わってなかったです。
下の階では基本起こらないので、リビング・ダイニングに何かあるのかな。
このままあと半年間耐え続けないといけないのかと思うと不安です。
今過去のことを思い出しながら書いていますが、起きたこと全部「あぁ、やっぱりな」と結びつけてしまいそうです。
2020/7/31
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