
長編
化かす
匿名 3日前
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んと談笑し帰りました。
家には母がいたので、淳平くん帰ってきたんだねと言いました。
母は、そうなの?まだ帰ってきてないって聞いたけど学校きたの?と言ったので、おばあさんから聞いた話をしました。
訝しげな顔をした母が、ちょっと淳平くんの家に連絡してみる、と言って部屋を出ていきました。
数分後戻ってきた母は、やっぱりまだ帰ってきてないって淳平くんのお母さん言ってたよ?と困惑していました。
その後、淳平くんのお母さんと母は直接おばあさんに話を聞きに行き、あれこれ話したそうですが、やはり桜の木の上で寝ていたということしか分からなかったそうです。
その日から、淳平くんのおかしな目撃談がたくさん出てきました。
ある人は、淳平くんが道路の真ん中で立っていたから危ないよと声をかけたのですが、ニコニコ笑うだけで動かないので、避難させようと近付いたらぽーんと藪の中へ飛んで逃げてしまった、と言い、またある人は庭の池の水を淳平くんが犬のような格好で飲んでいたから慌てて止めようとしたら、もの凄い速さで走っていってしまった、など色々。
しかし淳平くんは家には姿を見せず、ご両親はとても困惑していました。
実際、毎日淳平くんを探すご両親を見ていたので、一体何が起きているのだろうと少し不気味でした。
それからまた数日後、学校がお休みの日。
お遣いを頼まれた私は、麦畑が真横にある道を歩いていました。
なんとなく麦畑の方を見ると、10メートルほど先に人が立っているのが見えました。
見覚えのあるいがぐり頭。
私は思わず、淳平くん!と叫びました。
その瞬間、淳平くんの腰あたりから黄金色の大きな尻尾のようなものが麦と一緒にふわーっと揺れました。
えっ?と思い、私が呆然としてると、その存在はゆっくりこちらを振り向き、裂けんばかりの口でニヤリと笑ったのです。
淳平くんの姿をしてるけど、これは淳平くんじゃない、違う人だ、… いや、これは人間…?と不思議な感覚と共に、頭の中は大混乱でした。
固まって動けない私を確認したかのように、淳平くんの姿をしたそれは、ギャギャギャ!と動物のような鳴き声を上げ、広い麦畑の中へ消えていきました。
はっと我に返り、私はお遣いのことなど忘れて一目散に家に帰りました。
母に、淳平くんの姿をした何かが麦畑にいた!変な鳴き声を上げてどこかへ行ってしまった!と無我夢中で訴えました。
お遣いが面倒だからってそんな言い訳しなくて
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- とても興味深いお話でした。 他の男の子達はなんともなかったのですかね…匿名