
ある冬の夕方、僕は10歳の息子と一緒に地下道を歩いていた。人混みを避けるため、選んだのは明かりが薄暗い地下道だ。息子は突然、僕に向かって言った。
「今から1分経ったら、お父さんは地下の秘密の場所にいるよ!」
その言葉に驚きつつも、息子の冗談だろうと思いながら笑った。彼は最近、冒険心が強くなってきて、何か特別なことを考えているのかもしれない。
そのまま歩を進め、地下道の先にある小さなカフェに向かっていた。すると、数日後、同じ地下道を歩いていると、息子がまた言った。
「今から10秒後、お父さんはあの看板の前にいるよ!」
僕は不安になった。看板の位置は明確で、そこには「立ち入り禁止」と書かれている。息子に注意を促そうとしたが、10秒後、驚くべきことが起きた。気がつくと、僕は本当にその看板の前に立っていた。
「何が起こったんだ?」
息子はにこにこしながら、「すごいでしょ!お父さんが地下の秘密に連れて行ったんだ!」と誇らしげに言った。まさかと思ったが、僕は息子の言葉を気に留めず、ただの偶然だと考えていた。
その後、帰り道に差し掛かると、息子がまた言った。
「今から一週間後、お父さんは地下の真ん中にいるよ!」
その瞬間、ぞっとした。地下道の真ん中には恐ろしい噂があった。それを思い出し、深く考えずに帰宅した。
次の日、仕事帰りに地下道を再び通ると、急に意識が遠のき、目の前が真っ暗になった。気がつくと、病院のベッドに横たわっていた。意識が戻ることはなかった。
葬式が終わり、僕の墓は地下道の真下に作られていた。息子が言った通り、地下の真ん中で眠ることになった。彼の声は今でも耳に残っている。
「お父さんは地下の秘密の場所にいるよ!」 ただ、そこが本当に秘密なのか、今はわからない。
ただ、あの地下道だけは、もう二度と通りたくない。
後日談:
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