本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

短編
誰も気にしていなかった
短編

誰も気にしていなかった

2025年4月16日
怖い 16
怖くない 13
chat_bubble 0
1,122 views

それが変だと思ったのは、駅のホームだった。

平日の昼、用事で仕事を抜けて出かけた帰り。人は少なく、ベンチも空いていた。

電車を待っている間、ぼんやりと反対側のホームを見ていたんだけど──

その中に、どうしても違和感のある人が一人いた。

うまく言えないけど、全体が“ぼやけて”いるような、

もしくは、服の柄だけが浮いて見えるような不自然さだった。

それだけでも気持ち悪かったけど、

その人はまったく動かないまま、同じ姿勢でずっと立っていた。

見た感じはごく普通。年齢も性別も判別できないくらい“何でもない”のに、

なぜか、見てはいけないものを見てしまったような感覚になった。

その電車には乗らず、ホームを移動した。

階段を上がって、下りて、もう一度そのホームに戻ってきたとき──

さっきの場所には誰もいなかった。

……と思っていたけれど、次の瞬間、

まったく同じ立ち姿の人が、今度は別の場所に立っていた。

やっぱり動かない。表情も見えない。

でも、それがさっきと同じ“人”だと、なぜか確信できた。

同じような服装でもなく、全然別人のように見えるのに、

「同じ人だ」と思わされた。変な話だけど。

怖くなって駅を出て、コンビニで時間をつぶしてから帰ることにした。

でも、その後、もう一度駅に戻ると──

こんどは自分のホームに、そいつがいた。

まったく目立たない場所。誰も気にしていない。

なのに、たまたま視線を向けると、そこに“いる”。

誰も見てない。スマホを見てる人も、ホームを歩いてる人も、

誰一人として、そこに“誰かがいる”ことを気にしていない。

自分だけが、何かを見つけてしまったような感覚。

その人影は、少しだけ首を傾けた。

気のせいかもしれないけど、見ていたのは、たしかに──こっちだった。

しばらくして、電車が来た。

発車のベルが鳴った頃には、その“人”はいなくなっていた。

……今でもたまに、

「そこにいて、誰も気づいてない誰か」の気配を感じることがある。

電車の車内とか、街の中とか、人ごみの中とか。

きっとあのとき、最初に気づいたせいなんだろう。

たった一度、目が合ってしまったせいなんだと思う。

1 / 1

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 001_001

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 4
怖い評価 91
閲覧数 5.2k

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.71

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 禍禍女
  • 心霊スポット
  • 意味怖

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...
chat_bubble 0