
ある冬の夜、私は友人から不思議な話を聞いた。それは、東京の古い神社がかつて結界を張っていたというものだった。友人曰く、その神社には特別な力が宿っていて、悪霊や災厄から町を守っているらしい。
私は興味を持ち、その神社の境内にカメラを持って訪れることにした。静かな神社の境内に足を踏み入れると、薄暗い灯篭の明かりが幻想的に揺れ、まるで時が止まったかのようだった。
カメラを構え、シャッターを切る。だが、その瞬間、背後で何かが動いた気配がした。振り返ると、誰もいない。友人が言っていた結界の話が頭をよぎる。
その神社は、かつて結界を張っていたとされる場所で、今でもその名残があるのだとしたら…? さらに不安が募る。周囲を見回すと、境内の隅に古びた石塔が目に入った。そこには奇妙な刻印が施されていて、何かを呼び起こすような雰囲気が漂っていた。
気がつくと、私はその石塔に引き寄せられるように近づいていた。刻印を手でなぞると、急に寒気が走り、背筋が凍るような感覚に襲われた。思わずカメラを持つ手が震え、その瞬間、周囲の空気が変わった。まるで誰かが私を見ているかのような感覚がした。
恐れを感じ、急いで境内を離れようとしたが、足が動かない。まるで結界に捕らえられているかのようだった。心拍数が上がり、恐怖に押しつぶされそうになったその時、ふと目に入ったのは、石塔の奥に立つ黒い影。私をじっと見つめているその姿は、まるで何かを期待しているかのようだった。
私は必死に動こうとするが、結界の力に抗えず、ただその影を見つめるしかなかった。そして、影が口を開く。「帰れ。」その声は低く、耳に残る不気味なもので、私は恐怖で震え上がった。結界の真実を知ることは、決して許されないのだと感じた。
ようやくの思いで境内を逃げ出し、振り返ると、黒い影は消えていた。しかし、心には深い恐怖が残り、結界の存在が私の中で生き続けることになるのだった。
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