
長編
私が霊を信じるようになったわけ
ボク 3日前
chat_bubble 0
22,410 views
見ていた。
するとTが
「ずっと黙ってたけどさ、さっき1体だけやばい霊がいたって言うたやろ?そいつだけ俺らに追いついて、ずっとこっち見てるで」
と言った。
まだ続けるか?と思った時、とうとうNがしびれを切らしたのか
「だからお前がそう言っても俺らには見えてへんねん!!ええかげんせぇよ!どこにおんねん!」
と少し怒鳴った。
するとTがゆっくりを大通りの反対側にある茂みを指差した。
「あそこ。携帯のカメラで写真撮ってみ」
と冷静にNに言った。
Nは
「ちっ。なんやねんこいつ」
と文句を言いながらもポケットから携帯を取り出し、Tの指差す先に携帯を構え、パシャッと写真を撮った。
Nは撮り終わった写真を凝視している。
無表情だ。
私達はNの反応をうかがった。
するとNが一言
「まじかこれ…」と言った。
「どうした?」と私達はNに駆け寄り、全員で携帯の画面を覗き込んだ。
2秒ほどで確認できるほど鮮明にくっきりとそれは写っていた。
「うわ…ほんまに貞子やこれ」
と一人が呟いた。
どっきりでも仕掛けられているのか?と疑いたくなるほどのルックスの霊が写り込んでいた。
貞子らしき女は真顔で口をぱっくり開けながら写っている。
冷や汗が止まらない。
私もNと同様に霊を信じてはいないタイプの人間だったので、ここまで鮮明に心霊写真が撮れてしまうとさすがに焦る。
私「なぁTくん!これどうにかできひんの?」
とTに言ったがTは
「だからやめとこうって言うたんやん。悪いけど俺にはどうにもできひん。でもまぁ気休め程度やけどお祓いしとこか!」
と、まずはNにその写真を消去するよう指示し、近くのコンビニで酒と塩を買い除霊を始めた。
やはりここでも胡散臭さを感じたが今はそれどころではない。
もしかして祓えるかも?という少しの希望が俺達の精神を安定させていた。
一連の儀式的なものが終わりTが
「はい、終わり。とりあえずやれるだけのことはやったから。まだあの霊はこっち見続けてるけど気にしないように」
と私達に言った。
(気にしないようにって…)
と少し無理を感じたが、ここはTの言う通りなるべく気にしないように、霊がいた茂みを見ないように努力した。
結局その後は朝方まで営業しているボーリング場へと向かい、始発まで何ゲームも繰り返し、有り余った
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。