
長編
私が霊を信じるようになったわけ
ボク 3日前
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った。
Kが「今日調査するのはなぁー…」
と答えようとした時、急にTが
「ちょい待ち、一つ条件がある。どこ調査するか知らんけど、そこの寮だけはあかんで」
と言った。
私は背筋に寒気がした。
K「え?なんでなん?」
T「いやいや、お前ら霊感無くてもあそこはやばいって雰囲気で感じひん?」
それを言われ俺達は全員「感じる」と答えた。
するとTが
「せやろ?俺も何回か前を通りかかった事あるけど、あそこは数が凄まじいねん。しかもただいるだけの霊やったらまだええわ。でもな、あそこの霊はあわよくば取り憑こうと機会をうかがっとる。言うならば悪い霊の巣窟や」
と真顔で言った。
今まで陽気に話していたTが急に真剣に話し出したので、私達はビビり倒した。
心の中で警告音が鳴り響いている。
するとKがTに
「Tは除霊とかできひんの?」と聞いた。
Tは
「できひんこともないけど…でも多分お前らが期待してるような除霊はできひん。悪意がない霊を塩と酒を使って祓える程度やわ。さっきも言うたけど、あの寮の霊は悪意を持ってるからあれは祓えへんで」
と制止した。
でもKはTの話を聞こうとはしない。
「まぁ今日は人数もたくさんいるし大丈夫やろ。Tがやばいって言うたらすぐ退散するから!お願いっ!」
と食い下がった。
Tも初めは断り続けていたが、あまりにもKがしつこいので最終的には渋々OKした。
T「ほんまにあかんて言うたらすぐ退散するんやで?ついてきたらえらい目にあうし」
とTに念を押されつつ、俺達は例の寮へと引き返した。
…相変わらず凄まじい雰囲気の建物である。
Tはと言うと上の方を、ボーッと眺めていた。
「なんかいる?」と私が聞くと
「うん。あの3階の窓の所に数体いる。こっち見てるよ」とTが答えた。
もちろん霊感の無い私達にはその数体の霊は見えていない。
そしてしばらくの間
「あ、あそこにもいる」
「こっちにもいるなあ」
などとTが四方八方に指を指して説明してくれた。
はじめのうちはTの発言にいちいちビビっていたが、人間とは不思議なものでそんな状況にも自然と慣れてくる。
そしたらなぜか、Tが胡散臭くおもえてきた。
本当にこいつは霊感なんてあるのか?と。
そして私はTに
「Tくんちょっと中入ってみてーさ」
と言ってみた。
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