
まだ母が若い頃、職場である病院にYさんという変わった患者さんがいたそうです。
その患者さんは、若い女性で何故か数ヶ月おきに入院していて、しかも毎回“不可解な怪我”で入院していたのです。
階段で転倒して足の骨を折った。
家のドアに指を挟んで指の骨を折った。
毎回そんな不可解な状況で怪我をして入院していたのです。
勿論みんな不審がっていましたが、実際に骨折はしていたので、毎回入院していました。
そして毎回入院してくるたびにある若い男性のお医者さんを、名指しで担当医として指名していたらしいのです。
そのT先生という男性は背の高いハンサムな方で、病院内でも目立つ存在だったのですが、あきらかに毎回入院してくるYさんは、その先生を狙っている様子だったそうです。
「先生は独身ですよね? あの駅前のマンションに住んでいるんですか?」
毎回露骨にT先生を狙った質問をしていたそうで、T先生もうんざりしていたみたいです。
でも相手は患者さんなので、邪険に扱うこともできず、毎回親切に対応していたそうです。
だからどんどん勘違いをしてしまい、自分がT先生の恋人だと思い込んでしまったらしいのです。
その結果、そのT先生が他の若い女性の患者さんと少しでも親しそうに話していると、廊下ですれ違う時にわざとぶつかって転ばしたりしていたそうです。
勿論さすがに問題になって厳重注意をすると、誰かわからない形での不思議なトラブルが今度は発生しだしたそうです。
T先生が少しでも親しく話した女性の入院患者さん限定で、何故か部屋から着替えや飲み物がたびたび紛失したのです。
母や他のナースさんたちは当然Yさんを疑っていたそうですが、証拠がなかったのでどうすることもできなかったらしいです。
そんな迷惑ばかりをかけるYさんが、ある日を境に突然姿を現さなくなったそうです。
どうしたのだろう? と思いつつも、みんな内心ではホッとしていたそうです。
でもしばらくすると、病院の関係者しか使わない裏手の駐車場でYさんの姿がたびたび目撃されたのでした。
みんな絶対T先生狙いで待っているのだと噂していたそうですが、T先生はすごい剣幕で「それは絶対にYさんじゃない!!」と言っていたそうです。
でも見かけた人が毛先を赤く染めた髪型で、Yさんで間違いないと話したそうですが、T先生はそれでも頑なに認めなかったそうです。
みんなどうしてそんなふうにT先生が言いきれるのか、不思議がっていたそうですが、後日その理由が判明したのでした。
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