
これは、高校時代の友人から聞いた話だ。
彼らが廃校探検を計画していた冬の夜、「志村美咲さん」という遊びが流行った。これは、いわゆるコックリさんの変種で、ルールはほぼ同じだが、いくつかの違いがあった。
紙に五十音と「はい・いいえ」を書き、鳥居の代わりに古びた校舎の絵を描く。廃校以外でやってはいけないとされていた。
始める時には「美咲さん、少しお話ししませんか?」、終了する時は「美咲さん、ありがとうございました。どうぞお帰りください」と言わなければならない。
最大の違いは、志村美咲さんが誰だったのか知っていなければならないこと。
彼女は、かつてこの学校に通っていた女子生徒で、ある日、校舎の屋上から転落して亡くなった。彼女は自分が死んでいることに気づいていないと言われていた。
今でも廃校に通い、誰にも気づかれずに帰る日々を繰り返している。その孤独な彼女は、話し相手ができたことを喜び、学校のことを何でも教えてくれる。
時折、彼女は「友達になろう」と誘ってくるが、絶対に「はい」と言ってはいけない。なぜなら、それに答えると、彼女はあなたを友達だと思い込んでしまうからだ。
「この遊び、真剣にやると危険だよ。ある友達が遊んでいる時に、部屋の窓の外に美咲さんの影を見たって言ってた。」
彼は続けた。「当時は、みんなが本気で信じていた。美咲さんの声を聞いたり、廃校のチャイムが鳴ったりすることがあったんだ。誰かが見たのは確かだし、あれは夢なんかじゃなかった。」
「実際、ネットには真実かどうかわからない怪談がたくさんある。もしも思い込みで幽霊が生まれるとしたら、この世界には実体を持つ幽霊がいるのかもしれないと思うんだ。」
その話を聞き終えた時、彼の表情は真剣で、私もその場の静寂に包まれた。彼の目の奥には、確かな恐怖が宿っていた。廃校の噂は、決して消え去ることはないのだと感じた。
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