
中編
夢
匿名 2日前
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その日は、初雪が降った日だった。
同棲している彼女と映画を見て、買い物をしてとなんて事のないデートで1日を過ごした。
少し遅くまで出かけていた事もあり、寝る時間が0時を過ぎており、そのまま眠りについた。
気がつくと、見たこともない住宅街を歩いていた。日が登っている時間に関わらず人も乗り物も走っていない異様なほど静かな街だった。
僕は、歩いて山道に入り、49という旗が立ったスキー場に着いた。
そして、気がつくとコースをまるで滑り台のように下っていき、そのまま元いた住宅街へ戻っていた。
周囲は急に暗くなり僕は歩き始めた。
そんなに大きくなかった住宅街を抜けると、用水路があり、橋を渡った後に細長い用水路横の道を歩いた。
変わらず音は一切しない。
しばらく歩くと、正面から6人の小学生に満たない子供が歩いてくる。
日が落ちていたこともあり、僕は子供達に「お父さんお母さんは?」と聞いた。
子供隊は「言ってあるから大丈夫」といい、歩いて行こうとした。
けれど、一番小さい男の子が僕を見上げて
「お父さんしかいないのに」
といい、続けて
「家に気をつけた方がいいよ」
と言って去って行った。
僕は何も言わずにまた歩き始めて、しばらく経ったところで、用水路を背にして違う住宅街に進んでいった。
しばらく進むと少し古い茶色い屋根の家があった。
僕は誘われたようにその中へ入って行った。
家に入るとドンドンドンドンと小さい音が響いていた。
玄関すぐの右手にU字の階段があり僕は登っていく。上に登るにつれて、ドンドンドンドンと言う音は少しずつ大きくなっていく。
階段の真ん中で、全く見覚えのない女性とすれ違い、「私は何も無かった」と言われた。
僕は止まることも返事することもなく誘われているように登り続ける。
登り切ると廊下があり、いくつか扉も見える。
ただ、僕は一番手前の引き戸の部屋に入った。
ドンドンドンドンという音は、目の前で和太鼓を叩かれているようなほど大きくなっていて、押し入れがガタガタ震えている。
瞬きをすると、押し入れの目の前に立っていて、急に押し入れが開いた。
ドンドンドンドンという音は水を打ったように静かになっていて、代わりに僕の奇声が響いていた。
裏声で訳がわからないような異常な叫び声が響いていた。
気がつくと、隣で寝ていた彼女が血相を変えて僕を起こしていた。
僕は、夢の中と同じように、裏声で訳の分からない叫び
後日談:
- 普段は夢を覚えていない私ですが、鮮明に覚えている嫌な夢でした。 嫌に既視感があり、たまに取っている日記を見ると全く同じような夢を以前も見ていました。 前回は、押入れの扉が開く事なく目が覚めているようでしたが、次はあるのか、それとも終わりなのか。 後を引く気色悪い夢でした
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