
私は他の人には見えないものを感じ取る特異体質を持っていた。幼少の頃から、私には不思議な体験が数多くあった。その中でも、今でも忘れられない出来事がある。それは、学校帰りに遭遇した老人だった。
私の通う高校は山の中にあるため、帰り道はいつも一人だった。ある日、神社の前を通ると、薄暗い境内に立つ老人を見かけた。彼は毎日同じ場所で、私を見守っているようだった。「おかえり」と声をかけてくれるその老人は、私にとっての心の支えとなっていた。
冬のある日、雪が降り積もる中、私は厚着をして登校した。すると、老人はいつもと変わらず薄着で、「寒くないのか?」と尋ねてきた。彼は笑顔だったが、その目はどこか虚ろだった。私は一瞬、違和感を覚えたが、気にせずにその場を去った。
日が経つにつれ、老人の存在が次第に不気味に感じ始めた。ある日、帰宅途中、彼が再び現れた。「おかえり」と言った瞬間、私はその顔を見て凍りついた。そこには、焼け爛れたような顔があった。私は恐怖に駆られ、全力でその場を逃げ去った。
次の日、母を連れて神社に戻ったが、老人の姿は消えていた。代わりに、そこには荒れ果てた神社だけが残っていた。母は「ここには誰も住んでいない」と言い、私の報告を聞いて驚いた様子だった。どうやら、あの老人はこの世の者ではなかったのかもしれない。
それ以来、私はその神社の前を通ることを避けた。あの日、逃げ出してしまったことを今も後悔している。見えていたものは本当に存在していたのか、今でも疑問に思う。私の特異体質は、時に不幸を呼び寄せるのかもしれないと、思わずにはいられなかった。どんなに恐ろしい思いをしても、見えるものが本当に見えるのだとしたら、私はどうすればよいのか、心が重くなるのだった。
今でも、あの神社の前を通るたびに、あの老人の笑顔と焼けた顔がフラッシュバックする。彼は何を私に伝えようとしていたのか、そして私はその真実に向き合うことができるのだろうか。
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