
中編
深夜2時に鳴る電話
匿名 2日前
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「深夜2時に鳴る電話」
深夜2時。
スマホが震える。不自然なほど無音の部屋に、着信音が響く。
画面には「非通知」。
「……誰だよ、こんな時間に……」
半分寝ぼけながら通話ボタンを押す。
「6日後に迎えに行きます」
女の囁くような声。背筋に冷たいものが走る。
「……は?」
驚いて画面を見ると、通話はすでに切れていた。
履歴を確認するが、どこにも着信の記録はない。
「……夢?」
不気味な違和感を抱えたまま、眠れぬ夜を過ごした。
翌朝、大学へ向かう途中、歩道の真ん中に黒い鳥が立っている。
じっとこちらを見て、まるで何かを言いたげに首をかしげた。
カァァァ……
鳴き声がやけに耳に残る。
スマホを開くと、カレンダーの6日後に「×」印がついていた。
「え……こんなの、入れたっけ……?」
不吉な予感が胸をよぎる。
深夜2時。スマホが鳴る。
震える手で画面を見る。「非通知」。
通話ボタンを押すと、昨日と同じ女の声が囁く。
「5日後に迎えに行きます」
「……誰? 何の冗談?」
声を震わせながら問いかけるが、応答はない。ただ、かすかに水滴が落ちるような音だけが聞こえる。
ポタ…ポタ…ポタ…
ツー…ツー…
通話が切れた。
友人の亮介に相談するが、鼻で笑われる。
「お前、そういうホラー系苦手なくせに、気にしすぎじゃね?」
「だって毎晩電話が……」
「非通知のいたずらだろ。着信拒否しとけば?」
亮介は軽く流すが、不安は消えない。
その日の夜、帰宅途中、道端で知らない女性とすれ違う。
ふと視線を感じ、振り返ると、その女性がじっとこちらを見ていた。
唇だけを動かしている。
「……あと4日」
ゾクリと全身に寒気が走る。
「い、今、何て……?」
女性がいたはずの場所を見ても、そこには誰もいなかった。
深夜2時。電話が鳴る。
「……」
怖くて出たくない。でも、拒否したらもっとヤバい気がする。
通話ボタンを押す。
「……あと3日」
昨日よりもはっきり聞こえる声。まるで楽しんでいるかのような、不気味な抑揚。
「やめろ……誰なんだよ……」
「……すぐ、会えるから」
通話が切れた瞬間、部屋の鏡が「ピシッ」と音を立ててヒビが入る。
「……嘘だろ」
亮介がネットで調べ、「深夜2時に鳴る電話」の都市伝説を発見する。
「やっぱりあった……。『6日後に迎えが来る
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(12件)
- もしかして、真理が、最後に見た亮介は、あの、黒い女っだったのか?つばさ
- 出来はいいと思うんだけど、亮介が「出るな」って叫んでるから一緒にいるはず?なのに翌朝訪れたことになっているし、翌朝来てるはずなのに非通知の時刻が深夜2時になってたり所々情景とか時間がおかしいのが気になるなぁおと
- 主人公の名前が「真理」っていうのが意味深じゃない? 「真実に気づいたら終わり」とか、「知るべきじゃないことを知る」みたいな暗示だったりするのかも……。考察班
- この話、ネットに似たようなのいくつかあるけど、本当に体験した人っているの? もしいたら、どんな感じだったのか教えてほしい。 「6日後」が近づくにつれて何か変化があるのか、めちゃくちゃ気になる。検証厨
- ちょっと面白そうだから、友達に深夜2時に非通知で電話して「6日後に迎えに行く」って言ってみようかなwww ……って書いた瞬間、スマホがバイブしたんだけど……え?イタズラ好き
- ホラーとしてめちゃくちゃ完成度高い! 最後の「非通知の電話が友人にかかってくる」っていう終わり方が最高にゾクッとした。 終わったと思わせて、次の犠牲者を匂わせるのが都市伝説の王道パターンだよね。物語考察好き
- この話読んでゾワッとしたんだけど、俺も前に深夜2時ちょうどに非通知の電話きたことあるんだよ。 怖くて出なかったけど、履歴には残ってなかった。 もしかして……って考えたら、今になって鳥肌立ってきた実体験あり
- いやいや、これフィクションだよね!? でも、途中で「歩道に黒い鳥がいた」とか、そういう細かい前兆があるのがリアルすぎて怖い…。 自分も前に「あと◯日」って書かれたメモを見つけたことがあるから、偶然でもこういうの見るとビビる。信じたくない
- 『深夜2時に鳴る電話』って聞いたことある!『深夜2時に電話を受けると呪われる』とか『6日目に迎えが来る』とかでしょ?いや、怖い話好きだから軽い気持ちで読んだのに、深夜に読んだのマジで後悔した……。 今、午前1:45。あと15分で2時なんだけど……。 ちょっと、誰か助けて(泣)寝れなくなった人
- 「6日後に●ぬ」系の電話って、昔からいろんなバージョンがあるよね。 自分が知ってるのは「7日後に●ぬ」ってやつだったけど、こうやってバリエーション増えていくのが都市伝説の醍醐味。 でも、この話は細かい描写がリアルで、実話っぽく感じるのが怖いな……。オカルト博士