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中編

曾祖父のお茶目な初登場

けいすけ 3日前
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傍ら…叔父が帰宅した。 …大人の男性は帰宅した叔父以外誰もいない。 「なぁ、栞。今帰って来たの叔父ちゃんだよね?」 「そうだね。」 「…さっき扇風機止めたの誰?」 「…誰?」 「でもさ、お兄ちゃん。扇風機止めたの叔父ちゃんにそっくりだったね。」 「叔父ちゃんにそっくりならご先祖様かなぁ。」 「なら怖くないね。」 そんな会話をしていると…。 「夜更かししとる子はいねがー?」 おふざけで脅そうとしたのかナマハゲ口調のさっきの男性が登場。 …顔だけで。 「ハーイ、ごめんなさい。」 「素直で宜しい。」 にこやかに笑う男性をみて私達は眠りにつく。 その日の晩の夢は…。 眠る私達兄妹を優しく見つめながら頭を撫で一言ずつ声をかけていた。 扇風機で部屋の温度調整をしてくれたり布団をかけ直してくれたり…部屋の前の縁側に他のおじいさんやおばあさんと一緒に腰をかけ私達の寝顔をみてニコニコ笑う。 「皆…どの子も可愛いくて良い子ね。何時も見守っているから安心して成長するんだよ。ゆきちゃんにそっくりの優しい子達だね。皆良い子だ。」 …母とそっくりの女性が呟いたところで目が覚めた。 朝ごはんを食べる前に仏壇にご挨拶をした。 仏間の遺影に昨日の夢で見た方々が…。 「それは栞達からみたら曾祖父ちゃんにあたるご先祖様だよ。お母さんや叔父ちゃん達を可愛いがってくれたんだよ。」 「栞のお母さんのお祖父ちゃんとお祖母さんはお嫁に来た私とお母さんと叔父ちゃん達を大切にしてくれたんだよ。曾祖父さんは戦争中に一生懸命野菜やお米を作って、沢山の人を助けたんだよ。意地悪な憲兵さん達を懲らしめて困っている人達を助けた人だよ。優しくて強い人だよ。たまにお茶目で楽しい人だった。…栞のお祖父ちゃんもそんな人だよ。」 まだ8歳の私に祖母は曾祖父母と祖父の思い出話をしてくれた。 「曾祖父ちゃんのお父さんとお母さんもそんな感じの人だよ。」 「お前達皆…そんなご先祖様達の血をひいて優しい子達に育ってくれた。そんな嬉しい事はない。…大人になってもそのままでいてくれな。」 …叔父の笑顔は曾祖父とそっくりだった。

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