
長編
勘違い その参
つなか 3日前
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に居るよ!!じゃ!また明日!」
込み上げる恥ずかしさと嬉しさが俺を早歩きにし、名残惜しく1人でエレベーターに乗った。神様。あれは告白ってことでよろしいでしょうか。
楽しかったさっきまでの記憶を呼び起こす。
あれ?てか結局、さおりちゃんの話したかったことってなんだったんだっけ。思い返してみるも、たわいもない会話しかしてないことに気づく。まあそんなことどうでもいいか〜きっと俺とお話しするための口実だったんだよ、と考えることにした。
エレベーターが開き外に出ると、冬の冷たくも新鮮な空気が鼻から肺に入る。
一歩立ち止まって、いつもの様にグーーっと背伸びをし、明るい未来へと歩き出した。
ドチャッ
目の前に何かが落ちた。
エレベーターホールの明かりに照らされ、落ちて来たものが人間だと分かった。
かつてさおりちゃんだった「ソレ」は、首の骨が折れているのか、キューキューと空気の漏れる音を出し、俺を睨んでいた。
あと少し前に出ていたら、完全に俺にぶつかっていた。
頭の中が真っ白になり、何かを考えようと脳を回転させると、さおりちゃんとの会話がフラッシュバックし始めた。
「あと少ししか生きられないの。可哀想でしょ?」
「ユウくんに懐いちゃったみたい。」
「きっとユウくんの優しさを感じ取ったんだね!なんか安心する。」
「いけない!暗くなっちゃった!これじゃよく見えないかな〜…」
「今日はありがとうね。ユウくん。お陰で吹っ切れたよ。」
「私ユウくんのこと好きだったみたい」
「ユウくん。これからも一緒に居てくれる?」
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