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霊の通報

冬のある晩、俺は緊急医療センターで働く若手医師だ。いつも通り、入電した通報に対応していた。その日はいつもと違って、ある通報が耳に入った。「家で人が倒れている、助けてくれ」という内容だ。すぐに住所を確認しようとした瞬間、通報が切れた。焦った俺は、近くにいた看護師に助けを求めようとしたが、当時の上司が俺の肩を叩き、顔を向けさせた。
「この通報は無視しろ、忘れろ」と言われ、俺は驚いた。「なぜ助けを求めている人を無視しろなんて言うんですか?」と怒りを覚えた。
すると上司は冷静に言った。「あの通報は本物じゃない。実は数年前に起こった事件なんだ。」
「事件?」俺は理解できなかった。「あの通報は過去の記録から来ている。実際には誰も助けを求めてはいない。地縛霊の仕業だ。」
「地縛霊が通報するんですか?」と俺は信じられずに尋ねた。
「通報しているというよりも、その事件の犠牲者が未練を残しているんだ。数年前も同じように通報があって、間に合わずに家族が惨殺された。以来、毎年この時期に通報が入るようになった。」
「本物の通報の可能性は?」と俺は不安を抱えた。
「ない。毎年この時期、この時間に同じ内容が来る。あの時と同じ住所から。未練が恨みに変わっているのかもしれない。」
その言葉に俺は言葉を失った。
それから数年が経ち、上司は定年退職した。しかし、最近彼が亡くなったと聞いた。奥さんに話を聞くと、彼の死因がかつての惨殺事件の被害者たちと同じだった。楽しいオチもないが、これは俺が経験した現実だ。この仕事を続けている限り、こんな変なことに出会うと思う。だから、心の準備はしておくつもりだ。
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