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長編

謎の多い公衆電話

匿名 3日前
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怖くない 533
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妙に気恥ずかしくなった。 「そうかも知れない。何だろうな、俺たち。バカみたいじゃないか」 伊勢が笑い、僕たちも笑った。 僕たちは、丸井が死んだことに対して何も出来ないことに、罪悪感を持っていた。 何かの理由をつけたかった。 ユーレイ何かいないって。 そんなもんにあの丸井がやられるわけねーじゃん。 ははは。 リーん 電話が鳴った。 僕たちはお互いの顔を見合わせ、黙った。 一番最初に動いたのは高島だった。 高島が受話器を取り耳に押し当てる。 「…………あ…ふ…か…………と…………つ……あと……か」 「聞こえないって! もっと大きい声でいえよ!」 「……あ………………か…………ふ…………あと、ふつか」 プツリと音を立てて電話が切れる。 「後、二日か……」 天満がそう呟いた。 「二日って、バカこんなの信じてるの? 俺があと二日で死ぬわけねーだろ!? なあ?」 誰に言っているのかは分からないが、高島はそう叫んだ。 「そうだよな。ゴメン」 天満が謝り、僕と伊勢もそれに対して文句を言う。 「偶然だって」 「そうだよ、混線してるんだよきっと」 だよなあ、と言って僕たち四人は笑いあった。 二日後、高島は死んだ。 高島の出棺の後、その足でたまり場となっているコンビニに向かう。 店長からタクシーの運転手のことを聞きだすためだ。 伊勢、天満、それと僕。 少し前までは五人いた仲間が三人。 ついこの前まであったものがない。 寂しいとか違和感とか、そういったものでなく、当たり前のものがない。 片腕と片足がなくなったようなものだ。 ちくしょう。 コンビニに着く。 店長は僕たちを見て、悲しそうな顔をした後、コーラを三つ差し出した。 「残念だったな……」 「店長。タクシーのおじさんの連絡先知りませんか?」 「ああ、この前の人か? 知らないな。何か用事でもあるのか?」 「公衆電話について聞きたいんです」 「公衆電話か、あれなあ……いや、いいや。分かった。今度来たらお前達にメールするよ」 今更だったが、店長と僕たちは携帯のアドレスを交換し合った。 一週間たっても二週間たっても連絡は来なかった。 僕たちはコンビニに行く習慣もなくなってしまった。 携帯がなる。 「いま、いるから」伊勢だ。 そう言って、返事も聞かず電話を切った。 一人、自転車を走らせる。 もう何度この道を通ったのだろ

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  • すごく面白かったり!ありがとう!
    太郎
  • 凄く怖いかったです。あまり文章が長いからもう少しだけ短い文章をして欲しいと思っています。
  • もう一つは天満屋かな?
  • マルイ、高島屋、伊勢丹…???
    このや
  • 久しぶりの秀作を読んだ
    タク
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