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長編

謎の多い公衆電話

匿名 3日前
怖い 560
怖くない 533
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告別式の帰りで喪服だったからでもあるが、ちゃんと話をしたかったからだ。 「アイツがいないなんて、今でも実感がわかないよ」 伊勢は、亡くなったとは言わず、いないと言った。 「そうだな。アイツと最後に会ったのいつだっけ? ……コンビニか」 「いつもコンビニだもんな、はははっ……はは……」 それにつられて他の三人も力なく笑う。 この喪失感を何とかしよう、そう考えていたんだと思う。 「たしか、あの公衆電話を見に行った後、すぐだったよな」 「そうそう。カートミとか何とかずっと言って切れちゃったんだよなアレ」 「正直に言うと、あの時俺ちょっと……ビビってた」 皆が笑いながら、実は俺も、俺もと言い合った。 「カートミって何だったんだろうなあ?」 皆、丸井が死んだことに対して逃避したかったんだろう。 分けわかんないよな、とか、幽霊とかそんなのいないし、とかくだらない方向に話を持っていこうとしているのが分かった。 カーコンビニクラブとかの車屋の宣伝じゃねえのかなあ、いやいや電話の電波チェックだよ多分、でも雑音が酷かったぞその割には。 僕たちはやいのやいの努めて明るく下らなくなる様に笑いながら話し合った。 「カートミ、カートミ、カートミかあとみ、か、あと、みっか、……あとみっか」 「あと三日……」 「………………何だよそれ」 おい、どういうことだ。 三日って、丸井が死んだのは。 丸井が死んだのは公衆電話に行った後の三日後だった。 二時間後、僕たちは公衆電話の前にいた。 もしもこの公衆電話のせいで丸井が死んだのだったら、僕たちは仇を討たなくてはいけない。 皆、手にバットやカナヅチを持っていた。 喪服姿の高校生が凶器を持って自転車に乗っているのはさぞ奇妙に見えただろう。 僕たちは夜が更けるまで待った。 リーん 電話が鳴る。 誰も声を出さない。 伊勢が身を出し、ボックスの中に入った。 僕たちも後に続く。 ぎゅうぎゅうとすし詰めで、またも扉は開け放している。 「……もしもし」 受話器の向こう側からは何も聞こえない。 サー、という機械音がなるだけだ。 しばらく待ってみたが、プツっツーツーという音が聞こえ、切れてしまった。 「なあ、ただの偶然だったんじゃない?」 「…………」 トンネルの向こう側からクルマのライトが僕たちを照らし、駆け抜けていく。 そのライトのおかげで、今やっていることが

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  • すごく面白かったり!ありがとう!
    太郎
  • 凄く怖いかったです。あまり文章が長いからもう少しだけ短い文章をして欲しいと思っています。
  • もう一つは天満屋かな?
  • マルイ、高島屋、伊勢丹…???
    このや
  • 久しぶりの秀作を読んだ
    タク
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