
中編
精神病院の怪
匿名 2日前
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『学生寮の足音』と似たような話になってしまうのですが、看護師をしている友人の話です。
友人が初めて務めた病院は精神病院でした。
当時はよく「昼夜問わず叫び声やら悲鳴が絶えなくて気がおかしくなりそう」と話していました。
もちろん、声の主は入院患者であって霊ではありません。
ある夜勤の日、友人は同僚と交代で仮眠をとる時間となり仮眠室で横になっていました。
時間は深夜1時頃だったそうです。
仮眠室は入ると3mほどまっすぐ伸びた廊下のようになっておりその先が6畳ほどの和室になっていたとのこと。
友人は入り口のカギをかけるとすぐに仮眠用の布団を敷き横になりました。
万が一にも患者が入ってこないように、仮眠の際は施錠するのだそうです。
疲れていた友人はすぐにうつらうつらし始めました。
すると、廊下から パタ パタ と歩く音が聞こえます。
『ああ、誰かが見回りしてるんだな…』
と、意識が遠退きかけたその時…。
パタ パタ パタ
足音が廊下ではなく、室内から聞こえてくるような気がしました。
鍵を開ける音も扉が開く音も聞こえませんでしたので、既に眠りに落ちかけていた友人は気のせいだろうと目を開けることなく足音が遠ざかるものと思っていました。
パタ パタ …
しかし、足音は遠ざかるどころか大きくなる一方で近づいてきているようです。
流石にこれはおかしいと感じた友人は、薄く目を開け音のする方を確認しました。
すると豆電球の明かりに照らされてぼんやりと脚が…ナースシューズを履いた脚だけがそこにあったのだとか。
友人は怖くなり目を瞑ろうとしたその時、バサバサバサッと何か紙の束が落ちるような音がして、脚しか見えていないところに今度は手が現れたのだそうです。
その手は何かを拾う動作をしていたらしいのですが、拾っているらしきものは見えず、ただ手が動いていたと…。
手は何かを拾っては消え、拾っては消え。
ひたすらそれを繰り返していたそうです。
脚はそこから動くことなく、ただ友人につま先を向けて立っていました。
そして脚の辺りしか見えていないはずなのに、何故か不気味な視線をずっと感じていたそうです。
友人はそのまま気を失ったらしく、スペアキーで入って来た先輩ナースに叩き起こされお説教を食らったそうです。
しかも、先輩にあったことを話したら…
「お化け程度でビビってたら病院でなんか働けないよ!」
と、重ねて
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