
ある晩、友人が風邪を引いたため、私たちは小さな山荘の一室で寝ることになった。私と兄はリビングのソファで寝ることにしたが、友人は別の部屋で休むことにした。深夜2時を過ぎ、目を覚ました私は、何かが変だと感じた。静まり返った山荘の中で、冷たい風が窓を揺らし、薄暗い部屋の音が不気味に響いていた。
少し怖くなり、もう一度目を閉じようとしたその時、ドン、ドン、と何かが扉を叩く音が聞こえた。驚いて目を開けると、扉が不気味に揺れているのが見えた。近所迷惑になるかもしれないと思い、少し無視してみたが、次第にその音は激しさを増していった。
ドン、ドン、ドン! まるで誰かが必死に中に入りたがっているようだった。いったい何が起こっているのかと不安になり、扉に視線を向けると、その瞬間、何かが見えた。扉の上に這いつくばっている影が、こちらを見下ろしていた。目は大きく、笑顔を浮かべているが、その表情はどこか異様だった。
すると、その影は静かに言った。「入れてやれよ。」その声は、まるで耳元で囁かれているように響いた。驚いて目を瞑った私が再び目を開けた時、影はもういなかった。
その後、何事もないように静まり返った部屋。でも、あの声とあの姿勢を思い出すと、今でも背筋が寒くなる。いったい、あれは何だったのか。扉を開けて入るのは自分のはずだと、今でも強く思う。あの日のことが、いつまでも忘れられない。夜の隣人の存在が、私の心の中に深く刻まれている。
そう、ただの扉だと思っていたら、実はそれが恐怖の入り口だったのかもしれない。
今もその山荘には、何かが潜んでいる気がしてならない。たとえそれが人間でなくとも、騒音は近所迷惑だと伝えたかった。
夜の静けさを破る者には、何か特別な理由があるのだろうか。私には、もう分からない。
ただ一つ言えるのは、決して無視してはいけないということだ。あの笑顔が、決して忘れられないから。
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