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短編
はねちゃんの席
はねちゃんの席
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はねちゃんの席

1ヶ月前
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私のクラスには、誰も座りたがらない席がある。

三階の教室、窓際の一番奥――通称「最後の席」。

昔から言い伝えがあった。

そこに座った生徒は、次の日から様子がおかしくなる。

声を出さずに笑う、影を追う、帰宅途中に誰かに呼ばれる……

誰も理由を知らないけれど、みんな避けていた。

ある日、新しく転校してきたのははねちゃん。

明るくて元気な子だったけれど、少し天然で、みんなが避ける「最後の席」に、先生が無理やり座らせた。

その瞬間、教室が妙に静かになった。

誰かが小さく言った。

「……あの席、やばいんだよ」

はねちゃんは笑っていた。

「大丈夫だよ、怖くないって」

最初の異変は翌日だった。

はねちゃんは授業中、誰もいない教室の後ろを何度も振り返っていた。

そして下を向いて、ひそひそと誰かに話しているようだった。

放課後、私は勇気を出して声をかけた。

「はねちゃん、大丈夫?」

はねちゃんは振り返らず、にっこり笑って言った。

「うん、でも後ろの席の子、ずっと私に話しかけてくるの」

私は背筋が凍った。

「誰も座ってないじゃん……」

その日の夜、私は夢を見た。

夜の教室、はねちゃんの席だけがぼんやり光っている。

誰かの影が、はねちゃんの肩に手を置き、ささやく。

「はねちゃん、こっちに来て」

はねちゃんは振り返り、にっこり笑って手を伸ばす。

でも影に触れた瞬間、声も動きも止まった。

私は叫びそうになった。

翌日、はねちゃんは学校に来なかった。

誰も知らない理由で欠席だった。

でも、教室の最後の席だけ、昨日と同じに光っているように見えた。

担任が言った。

「はねちゃんは……少し休むそうです」

でも、昼休みに誰かが声を聞いた。

「はねちゃん……遊ぼうよ」

教室にいた全員が、背筋を凍らせた。

その声は、誰の声でもなかった。

それから、はねちゃんは二度と最後の席に座ることはなかった。

でも、時々教室に行くと、後ろの席からひそひそ声が聞こえる。

「はねちゃん……まだいるよ」

そして、誰かがふと振り返ると、そこには誰もいないはずの席に、ぽつんと置かれた帽子や鞄があるのだった。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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