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長編

井戸の中

匿名 3日前
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》にある何とも不気味な井戸。  生まれてからずっとここで暮らしているとはいえ、裏庭といってもほぼただの山状態のこの場所。勿論、俺はこんな井戸が存在していただなんて、今の今まで知らなかった。  腐って黒ずんだその井戸は何ともおどろおどろしく、一瞬怯んでしまった俺は、思わず一歩後ずさった。 「お前のきったね〜靴に、ピッタリのゴミ箱だなっ! 俺が処分しといてやるよっ!」  ———!!  「あっ!」と思った時には、既に遅かった。  俺の靴を高々と持ち上げた智は、井戸の上でパッとその手を離すと、そのまま井戸の中へと靴を投げ入れた。 「……っ!? 何するんだよっ!!」  声を荒げる俺を見て、ゲラゲラと腹を抱えて笑い始める智達。  悔しさから零れ落ちそうになる涙を必死に堪えると、震える拳をグッと握りしめてその場で俯く。そんな俺の姿に満足したのか、何事もなかったかのようにその場を立ち去っていった智達。  一人、その場に残された俺は、ゆっくりと井戸へと近づくとそっと中を覗いてみた。  長いこと使用されていなかったのか、中には水などなく、すっかりと渇ききっていた。そのお陰か、井戸の底までハッキリと目視ができる。想像していたより深さはなかったものの、真っ暗でじめっと湿ったその不気味な雰囲気は、実際の深さ以上のものを俺に感じさせた。 「あれ……?」  目を凝らしてよく見てみるも、先程智に捨てられた靴が見当たらない。 (一体、どこへいったんだ……?)  確かに、この井戸の中へ智は靴を投げ入れた。目の前で見ていたのだから、見間違うわけがない。そう思って必死に目を凝らしてみるも、やっぱりそこには靴らしき物はなかった。  仕方なく諦めることにした俺は、裸足のままトボトボと歩き始めると、沈んだ気持ちのまま自宅へと帰って行った。 ◆◆◆  ——その日の夕方。赤く腫れ上がった頬をさする俺は、裏庭で一人、悔しさに涙を流していた。  靴を無くしたと謝罪した俺に向かって、酔った父が怒って殴ったのだ。   (俺のせいじゃ、ないのに……っ)  やりきれない悔しさから、側にあった大きな石を掴むとジッと見つめる。 (これを思いっきり投げたら……少しは、悔しさも晴れるかな……) 『ニャア……』  いつの間に来たのか、俺の目の前で小さな鳴き声を上げた黒猫。痩せ細ったその身体から察するに、きっと野良

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