
長編
夜の散歩
匿名 2023年1月21日
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そんなに怖くないと思います。
どんでん返しとかはないです。
このサイトを使うのも、文章を投稿するのも初めてです。
ご了承ください。
当時私は中学2年生で、その日は2泊3日の修学旅行の前日だったんです。
修学旅行はお菓子もトランプ・UNOもOKというルールがあって、「俺トランプ持ってくる!」、「〇〇ちゃんUNO持って来てよ!」などの会話で、クラスは盛り上がっていました。
私は旅館の部屋が一緒のメンバーに「私、トランプとUNO持っていくね!」と言ったのですが、実際はどちらも持っていなくて、前日に購入する予定だったんです。
だけど前日、その予定をすっかり忘れていて、夜の9時になってやっとそのことを思い出しました。
どうしようと考えた結果、私は妹を連れて近所のスーパーに行くことにしました。
小さい頃よりも暗闇や夜への恐怖を感じなくなっていたので、大丈夫だと思ったんです。
妹は半ば無理やり連れて行って、スーパーへ向かいました。
私が住んでいる地域は田舎なので、街灯は少なかったのですがスマホのライトを利用して何とか近くまで進みました。
ある所で、全く街灯が無い道に差し掛かりました。
私は怖くなって、LINEを使って友達と電話をしながら進むことにしました。
でも、LINEって通話しながらライト使えないんですよ(私のスマホだけの可能性もありますが…)
だから通話できたのは良いけど、暗くて私も少し怖かったんです。
でもせっかく電話に出てくれたのにすぐ切るのも悪いなと思って、通話しながら真っ暗な道を進みました。
何とかその道を抜けて、大きな池の間に一本道がある場所に来ました。
そこは少しだけ街灯があったので、私たちの恐怖も多少和らぎ、その一本道を歩きました。
何気ない会話を3人で交わしながら、ようやく広いところに出そうになったとき、妹が一瞬後ろを振り向くんです。
妹は少し前を歩いていて、私と顔を合わせるためかな?と思ったのですが、目線は私を見ていなくて私たちが歩いてきた道を見ているんです。
それから妹の様子がおかしくなりました。
発狂とか泣いたりではなく、急に歩くのが速いんです。
それに合わせようとしたのですが、持久走で走った時みたいにわき腹が痛くなって、「速い!もうちょっとゆっくり歩いて!」と言いました。
ですが一向にスピードを落とそうとも、こちらを向きもせず、無言で歩き続けるので、私は妹の服の裾を掴みました。
そしたら妹に「はよして」と言われ、手を掴まれて歩かされました。
その後は無事にそのスーパーに到着し、UNOやトランプがあるコーナーに着きました。
到着するまでも妹は、度々後ろを振り向いては歩くスピードを上げていました。
私は怖くなかった(その時は怖かったのかもしれませんが)のですが、振り向こうとは思わず妹の顔だけ伺いながら、ただただ歩いていました。
UNOやトランプがあるコーナーについて、落ち着いた?と思ったら、妹が言うには、
「池の墓みたいな石のところで、影みたいなのが出てきた。その道を出てからもう一回振り向いたら追いかけてきた。お前が速く歩かなかったから怖かった」
それからも「なんであそこで電話するん?ライトつけれんかったやん」、「まずこんな夜中に出歩くのがおかしい、ふざけんなよ」などの文句を言われ続けました。
家族で唯一私が幽霊見た事が無く、幽霊を信じない人間だったので「そんなわけあるかよ」と妹を宥めていましたが全然言うことを聞こうとしません。
妹の性格は優しく、泣くことも少ないですが、実は怖がりで母の実話などで幽霊を信じていました。
肝心のトランプとUNOは1000円と高く…、隣のセブンイレブンにも行きましたが結局購入しませんでした。
ごめん妹。
それからは2人とも同じ道を引き返す勇気はなく、結局母に迎えに来てもらうことになりました。
母には「ふざけんなよお前ら、〇すぞ」と怒られました…。
家に戻ってきてから母・私・妹の3人は、玄関で塩を振り、あまり効果がなさそうなお清めをしました。
私は部屋で一人でいるのが怖くて、隣の妹と弟が居る部屋に転がり込んで、1時間ほど居座っていました。
もう23時でした。
私は疲れなのか肩が重くなっていました。
でも肩の痛みに違和感があって、一部分だけがずんっと重いんです。
それが怖くて、妹に言おうかなと迷いました。
妹に言うとさらに怖がるかなと思ったのですが、耐え切れず妹に伝えました。
「なんかさー、背中というか肩のここら辺がめちゃ痛い」
妹が口を開いた時に出た言葉は
「うちも。痛いそこ」
その言葉が怖くて、歯磨きをするのも怖く、2人でくっついて歯磨きしました。
私は1人部屋で妹は弟と2人一緒の部屋なんですよ。
1人で寝るのが怖くて、私の全力の説得の結果、私の狭いベッドで2人で寝ることにしました。
後日談:
- 翌朝は妹と毛布の奪い合いになって、最悪の目覚めでした。 修学旅行は事故なども無く、ユニバーサルスタジオジャパンではしゃぎまくって、ものすごく楽しかったです。 トランプとUNOは、まずどちらも遊ぶ余裕は無く、時間外にお菓子を隠れて食べていました。 妹は「あの日から幽霊に敏感になった」と言っており、偶に私の部屋に来て「男の声が聞こえた」などを報告してきます。 私はあの日から幽霊に興味を持ち、見てみたいなーと思っております。 見た事が無いので、今のところ信じてはいませんが。 ここまで読んでくださりありがとうございました。
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