
冬の寒い夜、家族で古い家の庭を訪れた。庭には大きな木があり、その下には長い間使われていないお札が飾られていた。家族でそのお札を見上げていると、ふと、何かが動く気配を感じた。
「見て、あそこに小さな鳥がいる!」と声を上げると、家族は不思議そうな顔をした。「どこに?」と問いかけられ、自分だけがその鳥を見ているのかと少し不安になった。
そのまま庭を歩き続けると、静かな夜の中、突然、木の上から何かの音が聞こえてきた。太鼓のような低い音が響き、心臓がドキッとした。周囲は静まり返り、ただ自分の鼓動だけが聞こえる。家族に「今の音、聞こえた?」と尋ねると、彼らは首を振った。
「何も聞こえないよ。」その言葉に愕然とし、自分の耳にだけ響いているのかと恐怖を感じた。
その後、家に戻ってから、家族の中の一人が言った。「あの庭には昔から良いことがあるって聞いたことがある。もしかしたら、何かの始まりかもしれないね。」その言葉を聞いて、心が少し軽くなった。しかし、心の奥底に残る不安が消えることはなかった。
それから数日後、思い切って仕事を辞める決断をした。そして新たな道を歩むことになったが、あの音と鳥のことが頭から離れなかった。もしかしたら、あれは本当に何かのメッセージだったのかもしれない。今でも時折、あの音が耳に残ることがある。新しいことが始まるときの、あの不安と期待が交錯する感覚を忘れないように。
あの冬の夜、古い家の庭での出来事は、今の自分を形作る一つのきっかけだったのだと感じている。音は今もどこかで鳴り響いているのだろうか。新しい始まりを告げる音として。
いつか、その音の正体を知ることができる日が来るだろうか。期待と恐れが交じり合う中で、人生の次の一歩を踏み出す勇気を持ち続けたい。
それが、あの夜の出来事が教えてくれたことなのかもしれない。
そして、あの小さな鳥は、今もどこかで鳴いているのだろう。
神社の音は、静かに、しかし確かに、心の中で響き続けている。
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