
中編
扉
匿名 2024年8月15日
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おばあちゃんが他界する前に体験したお話です。
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おばあちゃんは持病が悪化して病院に運ばれ、
それからは数日間ずっと病院でお世話になってました。
私もおばあちゃんのお世話をしに
お見舞いによく行っていました。
ー ある日の夜です。ー
いとこと一緒にテレビ電話でその夜2時くらいまで一緒に会話していた時です。
2階から音がしてきました。
気にしていなかったのですが
ずっと音が鳴っていたので確認しに行こうとしました。
最悪なことにちょうど2階の廊下の電球が切れていて真っ暗です。
いとこチャン
「なんの音?」
私
「聞こえるの?」
どうやら電話越しにも聞こえていたみたいです。
私はビデオカメラをフリップさせて目の前を映しました。
私
「上から音がするっぽいんだけど
ちょうど2階の廊下電球切れてるんだよね。」
いとこチャン
「真っ暗じゃん。」
懐中電灯を片手に2階へ登ろうとした時です。
音が鳴り止みました。
私
「あれ、無くなった。」
いとこチャン
「なんの音だったんだろう。」
私は行こうかどうか迷いました。
もう音もしないのでいいかなとも思いましたが
なんの音だったのか気になります。
真っ暗な2階廊下を1階から少し眺めた後
行くのはやめようと思い、引き出しに懐中電灯をしまった時です。
またあの音がし始めました。
今度はさっきと違って
なんの音かわかるくらいはっきり音がしていました。
ギーガチャン
ギーガチャン
ギーガチャン
ギーガチャン
ギーガチャン
いとこチャン
「ねぇ、あれドアの音じゃん!」
私
「・・やば、空いたり閉まっりしてない!?」
いとこチャン
「だよね!え待ってどうするの!?」
私はまた懐中電灯を片手に下から真っ暗な2階を眺めました。
ドアが開いたり閉じたりする音が
ひっきりなしに鳴っています。
階段に1歩ずつ足を進めていきますが
恐怖でなかなかのぼれません。
いとこチャン
「もー見てらんないよぉ・・。」
私
「お願い、電話置かないで、一緒にいて。
私も怖いよぉ・・。」
いとこチャン
「行かなきゃよくない?
寝ちゃいなよ。」
私
「でももしかしたら風かもしれないし・・。」
いとこチャン
「風なわけないじゃん、変でしょ・・」
泣いている子犬みたいな声で私に訴えかけてくるいとこに
私も怖くて泣いている子犬みたいな声になってしまいます。
ゆっくりと1歩ずつ階段を登って行ってましたが
途中まで来た途端、
また音が止みました。
私といことは無言になり、私は静かになった階段をさっきより1歩、また1歩と早めにのぼり始めました。
5、6歩くらい進んだ時でしょうか
またドアの開け閉めがいきなり聞こえてきました。
さっきよりも大きな音でしっかりと聞こえてきたため、
私はびっくりと恐怖で一気に階段をかけおりてしまいました。
いとこチャン
「やばいよ!絶対に開け閉め繰り返してるドア1番階段に近い部屋だよね!??」
私は大した距離でもないのに息を切らしながらいとこチャンに返事をしました。
私
「た、多分!見えたの!??」
いとこチャン
「少し懐中電灯で見えたんだけど手前の、1番階段に近い部屋開いてた気がする。
大丈夫?ちょっと水飲みな?」
私はそのままキッチンへ行って水を飲み、呼吸を落ち着かせた。
いとこチャン
「ねぇねぇ、確かあの部屋ってさ、おばあちゃんの部屋だよね?」
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その後は2階へ確認しに行くことを諦めて
1階のリビングで私はうずくまって朝を迎えました。
いとこにはずっとビデオ電話で繋がっていて欲しかったのですが
翌日仕事ということいとこはその後すぐに寝ました。
おばあちゃんはその2週間後、他界しました。
お し ま い
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