
美香は友人の前で不気味な話を始めた。彼女はかつて、高層マンションの一室で寝落ちしてしまったことを振り返っていた。
その晩、部屋の明かりを消し、古いカメラをテーブルの上に置いたまま、彼女はウトウトと眠りに落ちていた。途中で目を覚ますと、時計は深夜の2時を指していた。カメラのレンズが不気味な光を放っていることに気づき、彼女は身を起こして、思わずカメラのモニターを確認した。
すると、見たことのない映像が映し出されていた。青白い顔をした少年が、荒れた公園で一人遊んでいる姿だった。彼の手にはゴムボールが握られており、時折、カメラの方を見て不敵な笑みを浮かべる。美香はその様子に違和感を覚えたが、すぐにその映像が消え、カメラは放送休止の画面に切り替わった。
何かおかしいと思った美香は再び眠りに戻った。数日後、同じようにカメラをつけたまま寝入ってしまった彼女が目を覚ましたのはやはり深夜の2時だった。再びカメラのモニターを確認すると、今度は暗い森の中にいる少年の姿が映っていた。彼の周りには、何かがうごめいているような気配が感じられた。
『助けて…』という声が、微かに聞こえたような気がした。美香は恐怖に駆られ、カメラを切ろうとしたが、手が震え、思うように動かない。次の瞬間、映像はまた切り替わり、少年の顔がアップで映し出された。彼の目は虚ろで、口元には血のようなものが垂れていた。
その時、部屋の中でガタッと音がした。振り返ると、カーテンがそよぎ、まるで誰かがそこにいるかのようだった。美香は恐怖に駆られ、ベッドから飛び起き、部屋を飛び出した。マンションの廊下を駆け抜け、エレベーターを待つ間も心臓が高鳴る。
外に出ると、冷たい風が頬を撫でた。彼女は結局、マンションの前で一晩中待ち続けた。明け方になり、周囲が明るくなると、ようやく彼女は恐怖心を克服し、部屋に戻った。
カメラの中には誰もいなかったが、部屋中に微かに煙草の匂いが漂っていた。美香は自分が一体、何を見たのか理解できなかった。「あのカメラは、どこで手に入れたのかしら」と考え、結局そのカメラを処分することに決めた。
数ヶ月後、美香はその出来事が夢だったのだと思うことにした。しかし、時折、誰もいないはずの部屋で微かに少年の声を聞くことがあり、彼女は心のどこかで、あのカメラが本当に何かを映し出していたのではないかとの恐怖を抱いていた。
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