
家族で海岸沿いの道路を車で走っていた時の出来事です。
その日は冬の寒い夜で、空には雲が覆い、星も見えない状態でした。父が運転し、母が助手席、兄と妹は後部座席で静かにしていました。いつもは昼間に通るこの道でしたが、夜の10時を過ぎていました。
妹はすでに寝ており、兄と父は海の話をしていました。道は一本道で、海岸に沿ってまっすぐ伸びているはずでしたが、何かが変だと兄は感じ始めました。
10分ほど走ったところで、父が不安を口にしました。「この道、なんかおかしいな……」
周囲は暗く、木々と海の波の音だけが響いていました。いつもなら20分で着くはずの自宅が、すでに40分を超えていました。それでも車はまっすぐに進み続けます。
すると、突然古びた看板が目に入ります。「次は南の海岸へ」と書かれたその看板に兄は驚愕しました。
なぜ、ここにこんな看板が? 時刻は22時を回り、海岸沿いでは絶対に見かけない景色が広がっていました。
慌てて大きな道路に出ようとしましたが、どれだけ走っても見慣れた場所には戻れません。家族は不安に駆られ、結局自宅にたどり着くことができたのは、夜中の2時を過ぎたころでした。
その後、友人にこの話をすると、同じようにその海岸沿いで迷った人がいると聞き、背筋が寒くなりました。あの道は、何かが待ち受けていたのでしょうか。何かに導かれていたのかもしれません。やがて、その古い地図を眺めた時、兄は思い出しました。あの道には、過去に消えた人々の噂があったことを。恐ろしいことに、次にその道を通るのは、いつになるのか。どうか、迷わないで済むように。
その後、もう一度その道を通ってみる勇気は、とうとう持てませんでした。あの看板が示した場所には、何があったのか、今でも考え続けています。
私たちは、何かに化かされていたのかもしれません。もしくは、別の世界に引き込まれそうになっていたのか。
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