
それから、2年後。
志望する大学の受付で、年配の男性事務員から願書を受け取る俺。
「はいよ。願書と大学案内ね。・・ところで、君は割と年いってるようだけど今年は大丈夫なのかい?」
「ええ・・・まぁ。」
確信のない返事をする俺。
26才になった俺は高校を卒業できたものの、大学は合格できず浪人生になっていた。
ただでさえ遅れて高校を出たのにさらに浪人・・。
大学の事務所から正門まで広いキャンパスの中の長い並木道を途方もなくとぼとぼ歩く俺。
この道を笑顔で歩ける日は来るのだろうか。
下を向いて歩いていると、聞き覚えのある若い女性の声が。
目の前には、あの唯香が彼氏らしき若い男と談笑しながら歩いていた。
唯香は既に大学生になって、一層綺麗で素敵な女性になっていた。
あのあと、しばらく唯香と友達以上恋人未満の関係を続けていた俺だったが、定時制はもう1年あるため、現役合格した唯香が先に大学生になった。唯香が大学生になると、俺とは疎遠になっていった。
「次の土曜日は忙しくて会えません。ごめんなさい。」
それが最後のLINEで、それ以降は何をしても唯香からLINEが来ることはなかった。
「あなたとは無理です」とはっきり言われないだけ、まだ良かったと思うしかないのか。
それでも俺は諦めきれず唯香と同じ大学を受けているが、去年は惨敗、今年も合格は厳しそうだ。
彼氏らしき男と一緒の唯香は、俺の方を一瞬見て気づいたのかどうかは知らないが、すぐに若い男の方に身を寄せた。
「どうしたんだよ?」
「別に。ところでさぁ・・」
楽しそうな唯香と彼氏の声が聞こえてくる。
そもそも俺がこの大学に入ったところで唯香との関係は築けないことは明らかだった。
やっぱり他の道を探すべきなんだろうか。
長い並木道が程遠い俺の行く末を暗示していた。
・・・
(完)
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