
中編
ニート
匿名 2017年6月8日
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俺はニート!
毎日楽しんでるよ!
朝はコンビニ行って、昼は寝ながらアニメ。夜はドラマ見ながら母親からもらった金を眺めてる。
そんないい気分の時にさ、
上からギシギシ音がするようになったんだよ…!
ちょうどいい気分の時に!
「また嫌がらせかよ…」って思ったけど、優しい俺は気にしないでやったけど。
それから一週間くらいおんなじことが続いて、気がついたら音が鳴り止んだ。
このアパート古いし、部屋の数少ないから、皆んな気にしてるんだろうなーって思って、隣人とかに気にしないでって言っとこうと思ったけど、話してると皆んなこいつ何話してるの?って顔してくる。
なんだよせっかく教えてやったのに。
って思ったけど、これ以上引っ越したくないし、嫌な顔1つしないで帰った。
でもイライラがやばくて、ずっとガンガンに大音量で音楽聴いてた。
もちろんヘッドホンしてたけど。
んで嫌なことも忘れて、寝ようとしたとき、机の上の棚が揺れた。
また上のやつかよ。って思ったけど、気にしすぎたらいけない、そう思って布団に潜り込んだ。
でもさ、やっぱ静かなときにうっさい音聞かされるとそりゃイラつくよ。
もう我慢できないって思って、また起きた。
そんで大音量で音楽聴いて、気を紛らわせてた。
でも揺れる棚はきになるし、ドンドン振動が来て、ほんとイラついてた。
てかだんだん音が大きくなって来てる。
こんなんじゃいつまで経っても寝られない。
「よし!泊まりに行こう。」
母親からもらった小遣いでなんとか近くのやっすいホテルに行って、
1日寝よう。そうすれば落ち着いて寝られる。
そして家から出て、自転車でささっとホテルに向かった。
「ったく、安っぽいホテルだな…」とため息をついたけど、うるさい家で寝るよりかはまだマシだ。
そのホテルはカプセルホテルだったもんで、小さめのカバンを用意しといたから、ちょうどいい。
中でも小さめな安い場所にした。
人も少なく、本当に古い。
壁も何箇所か張り替えてある。
(もうちょっと丁寧に壁はれよ…)
流石に優しい俺も嫌な気分だった。
だってあんなにいい気分を邪魔されて、イライラするに決まってるだろ!
暇だし狭い風呂に入って、トイレを済ませ、あとは寝るだけ。
でも中々寝る気がしなかったし、売店でフラフラしてた。
すると上からギシギシドンドン音がして来た。
「なんだよ上の階かよ…」
ってがっかりしてたけど、古いししょうがない。
俺はまた大きなため息をついて部屋に戻った。
座るのもやっとな狭すぎるところで、寝ながら漫画を読む。
静かにしなきゃいけないので、すぐ寝ようと、漫画を閉じた。
ふと携帯を開き、離れて暮らす家族の写真をみて、眠りについた。
ドンドンドンドン!
ギシギシ…ドンドンドンドン!
「またあの音か…」
夜中の3時。
上の人は何やってんだよと、またため息をついた。でもどうしようもない。
注意くらいしよう。そう思って、狭すぎる部屋の天井に頭を何度もぶつけながら部屋を出た。
上を見上げると、あるはずの部屋がない。
「あれ、確かにギシギシ言ってたけど…」
上の階かと思い、鍵をして小さなエレベーターへ。
でも上の階なんてなかった。
受付の綺麗なお姉さんに、上から音がすると相談したけど、やはり上の階もなければ、音なんてしなかったと言う。
受付からそんなに遠くもない部屋だし、聞こえるはず。
だってあんなに大きな音だし。
仕方なく部屋に戻り、いつもはうつ伏せだけど、今日は上を向いて寝た。
ふと目を開けると、
天井には真っ白な獣のような顔がにたぁと笑ってこちらを見ている。
口は裂けているように大きく、目は見たこともないようにつっていて、瞳は小さい。
よくゾンビ映画なんかで見る、この世の者ではないような見ているだけでゾッとする顔だ。
女好きの俺でも、怖くて声が出なかった。
ただ、天井を見て固まっている。
よく見ると女は体も天井にくっついていて、足はひん曲がり、腕は傷だらけ。
服は破け、茶色く、いろいろな色の液体がついた、汚すぎる服だ。
ここまで言うと酷く見えるが、
実際見れば、そう思うだろう。
本当にみすぼらしく、恐ろしい。
何もできずに固まっていると、女が何かしゃべった。
「うへ…ひひひひひ!あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
狂ってる…!このままじゃ殺されるかもしれない!逃げなければ!
そう思う前に体が勝手に動いた。
部屋から飛び出た俺は、受付に金をだし、ダッシュで友達の家に行った。
その日は大丈夫だったけど、今じゃ寝られないので、毎日友達の家を行ったり来たりしている。
もう引っ越そうかと思うよ…
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