
中編
公園にいた
匿名 2017年7月1日
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初投稿の為、駄文失礼します。
大学生の頃、バイト先で彼女ができました。
バイト先では私とその娘を含めた数人で仲が良く、バイト終わりにその人達とドライブだの飯だの行くのが日課でした。
その日はその娘と付き合って初めて二人でバイト終わりに遊びに行く事になり、自分の親の車を借りて迎えに行きました。
車で行けば国道に出て15分ほどで着く距離です。
何度か行った事もあるので、ナビなどは設定せず、音楽をかけてノリノリで出かけました。
国道を走り、彼女の家が近づいてきて、国道から左折をしなければならないのですが、その時は暗くて見誤ったのか本来曲がるはずの2本手前の道を曲がってしまいました。
「あーミスったな…」
明らかに見慣れない道に入ったので、そんな感じに思ってましたが、彼女の家にそのまま着くかまた国道に出るだろうぐらいに思ってました。
周りも住宅街で暗くもなく、少し離れてるとはいえそもそも地元の道なので大丈夫だろうとタカをくくってたのです。
その道はちょうどカタカナのコの字の形になっており、本来曲がる1本前の道に出ます。
つまり国道からその道に入り、走っていって二回右折をすると元の国道に出ます。
それを知らずに、一回右折し、また右折する角のところを見ると、
突き当たり?というのか、曲がれない左側には小さい公園がありました。
ちょうど角のところに入り口があり、自分がいる場所から中のブランコや滑り台がぼんやり見えます。
しかし、何故か違和感…
明らかに公園の中だけ暗すぎる。
普通公園って明かりついてるもんじゃない?
しかしその公園は周りの住宅街に見放されたように光を失っています。
だからブランコも滑り台も、車のライトの端で捉えている明かりでしか見えずぼんやりとしか認識できないのです。
そしてその公園にどんどん近づき、徐々に中の様子を車のライトが照らしていく。
その公園を通過する時に、初めて気付きました。
ブランコに誰かが座っている。
よくある長い髪の毛、白いワンピースの女がいました。
少し違うのはその女がおそらくまだ中学生ぐらいに見えたこと。
夜10時を過ぎてそんなところに中学生が一人でいるのもおかしいのですが。
しかし、その女は車のライトで照らされてることを気にもしないのか、ずっと座ってる正面を向いています。
車のライトはブランコの真横から当たっていたので、普通ならそっちに顔を向けそうな気もしますが。
その時はとにかく早く離れたくて、彼女の家へ急ぎました。
彼女と合流し、まずこの話をすると
「ちょっと行ってみようよ」と…
マジか…と思いながらも、自分もこの女の子がそういった類ではなく生身の人である事を認識して安心したかったのは事実でした。
今度は彼女の家から向かったので、国道に出るときに右折をし、先ほど入った道ではなく出てきた方の道へ右折して入る事にしました。
その道の突き当たりが公園になっているという事になります。
「その女の子は塾か何かの帰りで、親の迎えでも待ってるんだろう。もう帰ってるか、まだブランコでボーッとしてるかな」
そんな風に思い込んむようにして、その道に入りました。
入ってすぐ気付いた違和感。
その時は車のライトは一直線に公園の手前まで伸びていました。
しかし公園の入り口には届いていませんでした。
車のライトの一番先には、
足。
ワンピースを着た下半身だけがライトに照らされて見えてました。
そこから上は暗くて見えませんが、おそらく髪を前に垂らした女の姿が想像されました。
しかも今この道に入ってきた自分達と向かい合うように立っている。
一瞬で全身に鳥肌が立ち、すぐに助手席の彼女に振り返ると、彼女も見えているようで口を開けて目線が釘付けになっていました。
「…見えてる?」
と聞くと
「…うん。ヤバい。ヤバいヤバいヤバいヤバい」
と彼女が言い、それでテンパってしまった自分は、ギアをRに入れ、アクセルを踏んで国道にバックで出ました。
幸い事故も起こさずに済みましたが、心臓バクバクで、しばらく車線を意識せず走ってしまい、何度も危なかった事を覚えています。
それ以来その公園の前は通ってません。
あまり怖くなくてすいません。
私にはかなり恐ろしかった出来事でした。
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