
長編
かえるのうた コピペ
匿名 2022年10月13日
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見ました。
窓の外、あの水溜まりの周りにいつのまにか大勢の人が集まっていました。
子供も大人も、男も女も。
十代ぐらいの子や五~六歳ぐらいの子、熟年の方や高齢者の方…20人ぐらい、もっといたかもしれません。
その全員が、さっきまでずっと雨にでも打たれていたかのように、服も体もずぶ濡れでした。
ピクリとも動かず、全員が水溜まりを見つめています。
そして、何かを話している…?
怖さで固まったままその光景を見ていると、次第にはっきりと何かが聞こえてくるようになりました。
不気味に響くその声にすぐにでも耳を塞いでしまいたかったですが、叔母さんの言葉を信じ、必死で耐えていました。
やがて、それが何なのかがわかりました。
歌です。
叔母さんの言っていたとおり、確かに歌を歌っているように聞こえました。
何人もの声が入り交じり、気味の悪いメロディーで、ノイズのように頭に響いてくるのです。
何と言っているのか、聞こえたままの歌詞はこうでした。
かえれぬこはどこか
かえれぬこはいけのなか
かえれぬこはだれか
かえれぬこは〇〇〇
(誰かの名前?)
かえるのこはどこか
かえるのこはいけのそと
かえるのこはだれか
かえるのこは〇〇〇
(こっちは私の名前に聞こえた)
かえれぬこはどうしてる
かえれぬこはないている
かえるのこはどうしてる
かえるのこはないている
この歌詞が二度繰り返されました。
全員がずぶ濡れで水溜まりを見つめたままで歌っていました。
誰も大きな声を出しているような感じには見えず、私のいる部屋ともそれなりに距離があるはずなのに、その歌ははっきりと聞こえていました。
本当に例えようのない恐怖でした。
二度繰り返される間、ただがたがたと震えながらその光景を見つめ、その歌を聞き続けていました。
二度目の歌が終わった途端、静寂に包まれると同時に一人が顔を上げ、私の方を見ました。
それは満面の笑みを浮かべた先輩でした。
さっきまではあまりの恐怖で気付きませんでしたが、よく見ると先輩の父もそこにいました。
ただ一人、私を見上げ微笑んでいる先輩に、私は何の反応も示せませんでした。
しばらくそのままでいると、突然そっぽを向き、どこかへ歩いていってしまいました。
すると、周りの人達も一斉に動きだし、ぞろぞろと先輩の後へ続いていきました。
終わったんだ…
私はガクンとその場に座り込み、茫然としていました。
早く叔母さんのとこに戻
後日談:
- https://fumibako.com/kowai/story/3/2812.html
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