
冬の真夜中、雪が降りしきる中、大学生の健太と友人たちは、廃校に肝試しに向かうことに決めた。この学校は、かつて一人の生徒が行方不明になり、その後すぐに閉校したという噂があった。友人の美咲は、その話を聞いて興味をそそられ、他の仲間も乗り気になった。
校舎の外観は年々劣化が進んでおり、窓は割れ、ドアは風に揺れてきしむ。その中へ踏み込むと、冷たい空気が彼らを包み込む。美咲は、古い教科書を見つけると、無造作にページをめくり始めた。「この教科書、何かおかしいわ」と彼女が呟く。ページには、かつての生徒の名前が無数に書かれていたが、一つだけ異様に新しい文字が目に留まった。それは「美咲」と書かれていた。
一瞬の静寂の後、友人たちの顔は驚愕に変わる。健太は冗談だと言うが、美咲の顔は青ざめていた。彼女はその教科書を持つ手が震えていることに気づく。恐怖心が広がり、仲間たちは出口を目指して走り出す。しかし、廊下の影からはかすかな声が聞こえ始めた。「帰らないで…」
その声に引き寄せられるように、健太は振り返る。彼の目に飛び込んできたのは、薄暗い廊下の奥で、かすかに光る目だった。美咲はその光景を見て絶叫し、再び出口を目指して駆け出した。しかし、彼女の後ろで何かが追いかけてきている気配がした。
ついに彼らは外へ飛び出し、冷たい雪の上に倒れこむ。しかし、全員が揃っているか確認した時、健太は美咲がいないことに気づく。彼は再び校舎の中へ戻ることを決意する。暗闇の中、彼は声を聞く。「ここにおいで…」
廃校の中に戻った健太が見つけたのは、無数の名前が書かれた教科書と、彼自身の名前も含まれた新たなページだった。震えが止まらない中、彼はその場から逃げ出そうとするが、足がすくんで動けない。後ろから迫る気配を感じながら、彼は自分の運命を悟る。美咲が消えた理由を知ることになるとは、思いもよらなかった。彼は、廃校の秘密に飲み込まれてしまったのだ。
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